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あたしは急ぐ。 こんな、こんなはずじゃなかった。 ほんとならとっくに終わらせて、姉御のところに戻ってるはずだったのに。 ここはどこ? 辺りの景色はどこもかしこも見たようで、出口の無い無限回廊に迷い込んだような錯覚を感じる。 ない。ない。ここにもない。 お願い、あの角を曲がったら。 ……その先に続くのは同じように続く廊下。 軽く絶望で心が塗りつぶされそうになる。 止まっちゃ駄目だ。限界は近い、もうすぐ急げなくなるかもしれない。 なんとしてもその前に見つけなくちゃ。 心を奮い起こし、再びあたしは急ぎ始める。 ……トイレ、どこ………? ――五時間前、午前6時40分。 窓から差し込む日が眩しい。 小鳥のさえずりに引き寄せられて、あたしは現実に浮かんできた。 身体を起こして窓から見上げるとミロスの美しい空が見えた。 うん、今日もいい朝だ。 歩きながら腕を頭の上で組み、目一杯伸びをする。 若干身体を捻りながら背骨を鳴らすと、眠気が少し消え代わりに爽やかな気分が沸いてきた。 ドアをくぐる。 テーブルの向こう、あたしの向かいに光の反射で紫に見える黒髪の女の人が座っている。あたしの師匠だ。 テーブルの上には七人分の朝食。ちなみにその内容は 白いご飯。 味噌汁。 焼いたメザシ。 漬物が少々。 小鉢に納豆。 ……いまどきアイゼンでもなかなか見ない朝食ではなかろうか。 「って言うか、姉御料理できたんですね……」 「起きてくるなり開口一番それか」 あたしの口からつい漏れた本音を耳ざとく聞きつけた姉御が、味噌汁をすすりながら軽く睨んでくる。 「前から思っていたがそもそもお前は私をどんな風に見ているんだ。 昔からよくお手伝いをしてさっちゃんはいいお嫁さんになるわねと言われた私だぞ」 「へぇーへぇーへぇーへぇー」 「こいつ……」 「えー、だってギルマスもリーダーも姉御は料理が出来るなんていってませんでしたよ? 他に誰もいないときは自分で何か作れって」 「む……そうなのか?昔おままごとで泥団子を喰わせた事を根に持ってるんだろうか……」 「何やってんですか」 「まさか本当に食べるとは思わなかったんだ、大体食うほうも食うほうだろう」 「いや、そりゃそうですけど……」 「まあなんだ、もうこの話はいいだろう。……おはよう」 「……おはようございます」 「おはよう、今日もいい朝だね……」 テーブルについて朝食に取り掛かっていると、朝だと言うのにメイジ衣装フル装備の男の人がやってきた。 席に着き、肩まであるボサボサの青髪を手櫛しながらふああふ、とあくびをひとつ。 「ああおはよう、また徹夜したのか」 「うん……帳簿つけて届出の書類書いて内職やって新しい魔法の詠唱書いてたらいつのまにかこんな時間でさ……」 「あの、昨日もそんなこと言ってませんでしたっけ?ほんとに寝てます?」 「寝なきゃ人間生きていけないでしょー。少なくともおとといは……あれ?その前だっけ?えーとちょっと待ってね」 「食え。そしてさっさと寝ろ」 この人がうちのギルマスだ。 性格はなんというか、理知的で柔和ないい人なんだけど電波体質なのが玉にキズだ。 完璧な人間をやって尊敬されるよりも見下されてでもネタを仕込みたいという彼の美学は理解できない。 そんなギルマスだが放っておくとすぐ肉体の限界まで仕事や研究をやって過労で倒れるので注意が必要だ。 暇さえあれば本を読んでいるくせにギルドの誰より(ローグであるあたしより)目がいいという分からない人でもある。 「朝っぱらから寝てたら駄目人間でしょーが、まだ大丈夫だよ」 「お前は別ベクトルですでに駄目人間だ。いいから寝ろ」 姉御達が押し問答をしているうち、残りのメンバーが起き出してきた。 さっきまで朝の静けさに包まれていた食卓に、にぎやかさと活気が満ちてくる。 「味噌汁……懐かしい味だ」 あたしの右前方にいる丈夫そうなファイターの人がリーダー。 ギルマスがいるのに別にリーダーがいるのかと突っ込まれそうだが、あまり気にしないで欲しい。 しいて言うなら机仕事はギルマスが、畑仕事はリーダーが先導することが多いのでこういう呼び名になったみたい。 実直だけどギルド一物分りのいい人間の出来た人で、かついい感じにヘタレなのが何ともいえない。 苦手なものは爬虫類全般(何でこの人ハントマンになったんだろう)、特にワニが大嫌いらしい。 「懐かしいですか……私にはまだ良く分からない味ですね……」 その隣で味噌汁と格闘している女の人が副長。 ギルマスがいてリーダーがいてその上副長がいるのかと(以下省略)、 これはあだ名だ。眼鏡の真面目そうな冒険者がいいんちょと呼ばれていても変には思わないでしょ? ちなみに命名はあたし。リーダーについて歩く様子と、ナイトらしい生真面目な性格からなんとなくつけた。 正義感が強く、というか強すぎて若干空回り気味なところもあるけど自己反省を忘れないいい人だ。 「……」 あたしの正面でもくもくと漬物をつついているのが姫ちゃん。 正直この子のことはよくわからない。無口な子だ。 頭の上で耳が揺れているが実はこの子はルシェでは無い。つけ耳だ。 従ってこのギルドには一人もルシェがいないことになるが、ギルマスいわく別に雇用機会均等法に 喧嘩を売っているわけではなく単に出会いが無かったから……らしい。 あの耳はルシェの親友から送られたおそろいのもので、その親友はいまはこの世にいないらしい。 「どうしたの、箸が止まってるよ?食欲が無い?」 「あ、ううん。なんでもない」 そして、今あたしに話しかけてきた彼が……このギルドのヒーラーだ。 あたしより三つ年上の彼はその、まあ、なんというか、あたしの、いい人……っての? こんなあたしを女の子として見てくれる数少ない人で、大人しげだけどいざというときにはとても頼りになる。 初めて会ったときは単に童顔だなー、位にしか思わなかったけどこうして見るとなかなか……いい男だよね。 ……あー、おほん。 安全な場所で怪我した人を直すだけではなく脅威であるドラゴンを倒さなければならないと考えた彼は ハントマンになることを決意、ちょうど振り返った先でドラゴン退治について計画を立てていたあたしたちに 勢いで入団を希望して今に至る。 以上、これがうちのギルドのメンバー。 なかなかクセのある人達だけど、皆いい人なのはあたしが保障…… ……しまった。 すっかり紹介した気になっていたが、この人の事を最初に書くべきだった。 姉御に目を向ける。 寝乱れた長い黒髪で、メザシを口の端にくわえながら漬物に箸を伸ばす。 ……この人はこういうのが本当に絵になる人だ。 これが姉御。サムライだけど、さっき言ったとおりあたしの師匠。 そしてお世辞にも育ちの良くないあたしのお目付け役。 姉御と言う呼び名はこのギルドにお世話になることが決まったときびくびくしながら呼んだのが始まりだったが、 なんとなく定着して今でも基本的にこう呼んでいる。あとは気分でたまに師匠と呼ばせてもらっているが そういうときの姉御は口では『師匠と呼ぶなと言ったろう』とか言いながら何だかまんざらでもなさそうなので これからもたまに師匠と呼んでみようと思う。 居合と無手に鍛錬を欠かさず、普段大雑把に振舞ってはいても常にサムライの魂は忘れない。 そんな姉御が昔は斬馬系のサムライ崩れだったというから世の中はよくわからない。 カタナを扱う自己流の剣士として己が信じる道を往き、ブシドーだのなんだのを歯牙にもかけなかった姉御だが こっちに来て本物のサムライに出会いその教えに一転心酔、それまでのスタイルを捨て去って 名前まで変えたというんだから本当に極端な人だ。よっぽどどこか感銘を受けるところでもあったんだろう。 と、あたしの視線に気付いたのか、箸を咥えた姉御がこちらへ視線を送り返してくる。 「……なんだ?私の顔に何か……ご飯粒か?」 「すいません、なんでもないです」 ぺたぺたと頬をさわる姉御に首を振って否定する。 そうか、と食事を再開しようとした姉御はふと何か思い出したように持ち物を探り始めた。 「……そういえば福引で劇のペアチケットをもらったんだが……お前、一緒に来るか?」 ―――――――――――――――――――――――――― ああ、できない、私にはできない。 たとえ永久に手に入らないのだとしても、 この手でこの方に血を流させるなんて。 それならばいっそ、……私は、泡となって消えてしまおう…………… 「……っ……うぅ………」 「まだだ、エンディングまで泣くんじゃない」 そういう姉御の目には既に今にも溢れそうなほどの涙が揺れている。 あたしたちは文化ホールの一席に座り、遠い昔に書かれたというおとぎ話をモチーフにした劇を観賞していた。 「そんなこと言ったって……あ、姉御こそもう限界じゃないですか……」 「ば、馬鹿……目にゴミが入っただけだ」 「それならあたしだって、せっかくの、ペアチケットなのにっ、あたししか誘う人がいない姉御の不憫さを……」 みしっ。 「……痛い、超痛い」 「この、馬鹿………うう……」 「えうう………」 あたしも姉御も結局のところ、エンディングまで耐えることは出来なかった。 「副長もチケット持ってるみたいなこと言ってたけど見えませんね」 「午後から来るのかもしれないな」 「うー……それにしても久々に心から泣いた」 「やっぱ古くてもいいものはいいんだな……」 演劇終了後、あたし達は喫茶ルームでお茶にしていた。 国風に合った美しさで知られるミロスの劇場は、副長も一度来てみたいと言っていた話題のスポットだ。 しばらく無言で心と身体を温めなおした後、気分を変えるために話題をシフトしてみる。 「それにしても姉御、ほんとに誰か他に誘う人いなかったんですか?いやあたしは連れて来てもらってよかったけど」 「お前もしつこい奴だな……おらんと言ってるだろう。ほっといてくれ」 「だって……姉御24だよね?あと六年って長いようで短いですよー、姉御は婚活とかしなくていいんですか」 「……」 「……」 「……コンカツ………………あ、油揚げに衣を着けて揚げなおしたものとかか?」 ――駄目だこりゃ。 「……はぁ」 「え?違うのか?……え、えと、まさか本当に狐を揚げたりしないよな……? ちょ、ちょっと待て。じゃあ、ええと……」 「や、もういいです。姉御はつくづく恋愛に縁が無いってことだけ分かりました」 「なっ!?」 一瞬呆気に取られる姉御だが、やがて眉間に険悪な色が浮かんでくる。 「……って、何だと?お前最近ずいぶん態度がでかくなったんじゃないか……」 しかし悲しいかな、泣きはらした目のせいでご機嫌斜めの子供が頬を膨らましてるようにしか見えないんだよね。 はっきりいって怖くない。全然怖くない。 「だってそーじゃないですか。こちとら彼氏持ちですよ?そーゆー相手は普通外すか もしくはこれをやるから二人で行ってこい、ってのが大人の対応ってもんでしょ」 「ぐ……」 姉御がごにょごにょと詰まる。だって私だって見たかったし、とか言ってるみたいだ。 あのおっかなかった姉御に競り勝っていると言うささやかな優越感に浸っていると、姉御が話題を切り替えにかかった。 「……お前が誰と交際しようと勝手だがな、むしろもうちょっと慎めんのか? 仲良くするのはいいがそれにしたって恋人ができるなり暇さえあれば四六時中べたべたと……」 「なんですかそれ。ちゃんと戦う練習だってしてるじゃないですか、ダガーフェティシュだってレベル5まであげたし」 「あぁっ……、そういう問題じゃなくてな、……色ボケは少し控えろといってるんだ」 むっ。 色ボケとは言ってくれるじゃない。 あたしにあの虐待のような訓練を毎日受けさせた人の言うことだろうか。 ちなみに前回がソードマスタリー編とすると、今回はダガーフェティシュ編だ。 そりゃ最初の頃こそ 「握りが甘い、それだとすぐに吹っ飛ばされるぞ」 「はい」 「リラックスして構えることとゆるく構えることは違う、忘れるな」 「はい!」 「左旋回したときに半身が解けてるぞ!いかなるときも付け入る隙を与えるな!」 「はいっ!」 みたいなまともな訓練だった。 それがどうだ、最後にはまたもや置き去りで、しかも今度はまだフロワロの残っている洞窟だ。 フロワロが残っているということは当然『奴ら』がいるわけで…… 他にも色々ひどい目にあって、今日やっと休日なのだ。 ちなみに明日からは姉御と一対一の実践訓練、姉御から一本取れるまで続くらしい。 冗談じゃない、構えを取らず純粋な接近戦だけなら短剣が勝つのが当たり前だと姉御はいうが、 そんなこと絶対にありえないのは空を飛ぶ猫がいないくらい明らかだ。 とまあそんな訓練をサボりもせずやってきて色ボケとはあんまりだと思うんだよね。 あたしの口から棘を含んだ言葉が飛ぶ。 「色ボケって何ですか、あたしが今までやらなきゃいけないことすっぽかして遊んでたことありますか? 別に姉御が目に毒だっていうなら控えますけど何もそんな言い方しなくたって」 「だからそうじゃなく……いや確かにそういう意味でもあるんだが……」 「……」 「……」 「……」 「………夜」 「夜?」 「……夜、お前の部屋から声が聞こえてくる」 「……」 「……」 えーと、それって。 「――――――――――――!!?!??!?!!!?? な、な、な、なんっ………」 「それもアホのように毎夜毎夜。昨日だって寝ようとしたら……」 「ちょ、ちょっと待ってよ!?昨日は普通に寝ましたって!だって火曜と金曜はお休みにしようって……」 「……」 「……」 「あ、そ、そうか、悪かった」 「い、いや分かってくれればいいですけど」 「……」 「……」 「……え、週二日以外は毎晩?」 ……………………。 …… じ…… 自爆したーーーーーーー!? っていうか彼との夜の生活を曜日まで!? 羞恥と極限の混乱に陥りながらも、 あたしの耳は姉御の「なんだ、やっぱり色ボケじゃないか」と言うセリフを聞き逃さなかった。 くうぅっ。 恥ずかしい。消えてしまいたい!セクハラだ!……ええい、これも全部姉御のせいだっ!! あたしの心に理不尽な復習の炎が灯る。 心の奥からこみ上げるヤケクソ気味の羞恥に突き動かされ、あたしは報復の刃を抜いた。 「あ、姉御だって人の事いえないじゃないですか!? 昨日の晩、壁の向こうから一人で慰めてる声を聞かされてなかなか寝付けませんでしたよ! ……き、聞きたくなかったけど聞いちゃったんですからね!?」 「……」 「……」 「……………ええと」 え、何この反応。そんなナチュラルに困惑した顔をされても…… 「昨日から、私の部屋は一階に移ったんだが」 「え」 そうなの?とするとあの声は…… かちゃん。 音のしたほうに顔を向ける。 あ、いつの間に来たんですか副長。 どこにも見ないと思ったがやっぱり来たらしい。 建物自体のおしゃれさと劇場への期待で興奮しているみたい。 スプーンを取り落としたことにも気付かない様子で、緑色の髪と見事なクリスマスカラーのコントラストを作るほど 顔を 真っ赤に ……………………。 …… ご…… 誤爆したーーーーーーー!? 「いやあの」 「すっ……… ………すいませ……………………!!!」 誤魔化そうとする間もなく副長は泣きそうになりながら逃げ出した。 そのまま逃げていくかと思いきや、空気の読めないレジ員に止められて半泣きでお金を支払っている。 後に残された気まずい沈黙の中、あたしも冷静さを取り戻してきた。 「……お前、あれは」 「スイマセンでした、ほんとスイマセンでした」 「いや別に悪気が無いのは分かってるんだが……」 「うぅ、悪いことしたなぁ。姉御もなんかすいませんでした」 「あ、まあ、気にするな」 大きな犠牲を(副長が)払いながらもなんとなく和解する。 何か話す雰囲気でもなくなり、あたし達はしばらく無言でお茶をすすった。 …… しばらくして、下腹部に誰もが知るあの感覚が走る。 外に比べてここは石造りの大きな建物で気温は低いし、身体を冷やしたかな? 「すいません、トイレ行って来ていいですか」 「ああ、そこをまっすぐ行って突き当たりを右だ。しばらく行くと分かるはずだ」 「はい」 そうしてあたしは喫茶コーナーを離れ、トイレを探すために歩き出した。 「あ、右じゃなく左だったか……まあ案内も出てるしすぐ気付くだろ」 ―――――――――――――――――――――――――― ――現在、12時05分。 あたしは急ぐ。 なんだってこんな事になったんだろう。 まだまだ大丈夫だと思って迷子の親を捜してあげたのが間違いだったのか。 ううん、あれを間違いと言うほど不人情な人間ではないつもりだ。だけど、そのツケは今確実に来ている。 あたしが別のところに気を取られて気付かないでいるうちにそれはいつのまにか差し迫ったところまで来ていた。 意識した瞬間、時間経過で増大したそれはあたしから全ての余裕を奪う。 焦ってあたしは元の場所へ…… ……あたしは、自分のいる場所が分からなくなっていた。 そんなわけであたしは今、下腹部を刺す感覚に耐えながらトイレを探してこの広い建物をさまよっている。 一歩歩くごとに、着実に大きくなるその感覚。 おかしい。トイレはどこ?この西館どこかにはあるはずなのに…… ふと目を向けた先に、所狭しとプリントや張り紙が貼られている掲示板を見つける。 今も職員らしき女の子が脚立に上って新しい張り紙をしている最中だ。 もしかしたら館内の地図が載っているかもしれない。 そう判断したあたしは、その掲示板へと近寄っていった。 「遅いな………何やってるんだ?……何だか私もトイレに行きたくなってきたぞ……」 掲示板に近寄っていくあたしの先で、女の子が作業を終えたようだった。 張り紙をしている間前のめりだった身体を戻し、屈めていた背をうーんと伸ばす。 あ、危ないよ? そんな不安定なところで身体を反らしたりしたら後ろにひっくり返っ………ちゃったああああぁぁぁ!! 「ひぁっ……!?」 女の子の悲鳴になりかけた声が耳に届く。 あたしは反射的にダッシュをかけ、脚立ごと倒れてくる女の子の下に走りこんだ。 オーライ、このくらいなら楽勝で間に合うって…… どさっ。ガッシャアアアン。 「………!!!」 はっきり言って、このときの自分をほめてあげたい。 尿意のことも忘れて本気でダッシュした上、これだ。 確かに落下位置にいくのは楽勝だった。 だけど、あたしには生憎落ちてくる女の子を受け止めて姿勢を崩さない程の腕力は無いのだ。 当然のことながら、姿勢の悪さも手伝ってあたしは女の子を受け止めたまま床にしりもちを突き…… ……女の子が、下腹部に落ちた。 もう一度言おう。はっきり言って、このときの自分をほめてあげたい。 膀胱が破裂するかと思うような衝撃に声も出さず悶えるあたしに、女の子がおずおずと声をかけてくる。 「あ、あの!すいません、大丈夫ですか!?……あ!あの、私が落っこちたせいで何か怪我を……」 「だ、大丈夫、平気……」 「そう……ですか……?」 「うん……あ、それより……聞いてもいい?トイレ、どこ……?」 「え?」 不幸中の幸いだ、この子にトイレまでの最短距離を教えてもらおう。 「えと……一番近いトイレは反対側……東館の二階にありますけど。案内、出てませんでした?」 「………え?」 …… ……… …………姉御ーーーーーーー!? ……そろそろ本当に限界だ。 あたしは気の遠くなるような距離を踏破し、東館までやってきていた。 気の遠くなる距離といっても百メートル足らず、普段のあたしなら10秒とちょっとで走り抜けられる距離だ。 だけどもはや走ることすら出来ないあたしにとってそれは無限とも思える距離だった。 辛うじて普通の歩き方に見せているが、見る人が見ればあたしの歩き方の不自然さに気付くだろう。 あと少し、あと少し…… …… ……見えた! 東館二階、職員も使う小トイレ。男女用それぞれ1つずつしかないそのトイレのくすんだ扉も、 今のあたしには天国の扉に見える。 洗面所に入ってすぐ右側、『女子用』のプレート。あたしはそのドアノブに手をかける。 長かった……間に合ってよかった。 やっと、やっと。 やっと……… がたん ……………え? ドアノブに付いた小窓。 そこから覗く色は。 ……『使用中』を示す、赤、だった。 ―――――――――――――――――― ざーーー。 未だ被害を抑えるために無限と思える時間を耐え忍ぶギリギリの感覚。 そしてそれでも間に合わずに一部を漏らしてしまった絶望。 その二つが入り混じって奇妙な温度になっているあたしの頭に、遠くで水の流れる音が聞こえる。 そして、ドアの開く音。 「……こんなところで何してるんだ?」 聞こえるはずの無い声が聞こえてあたしは顔を上げる。 ……姉御? ………。 ああ、そうか。 姉御が入ってたのか。 姉御が入ってたからあたしは、 「……っ!」 「うわっ!?」 だっ。 ばたん。 かちゃかちゃかちゃ…… ――――――しばらくお待ちください―――――― ざーーー。 醒めた頭であたしは昨日の訓練を思い出す。 「常に半身で……グリップは柔らかくしっかりと……」 習ったことを呟きながら身支度をする……下着はトイレットペーパーに包んで捨てる。 ズボンに隠してある簡易ナイフを取り出し、しっかりと握る。 「……」 そして、何かに導かれるように、もう一本をこれまで使わなかった左手に握った。 「……よし」 よし、これで、戦える。 「……」 そしてあたしは、 「……っ!!」 ドアを蹴り開けた。 「どうし……うわっ!?」 「うわああああぁぁぁぁん!!」 「ちょっ、おい、ちょっと待て!いきなりなんだ!?」 「うるさい、うるさい、うるさああぁいっ!!」 「待てって!何だ!?何で泣いてるんだ!?私が何か悪いことをしたか!?」 ああ、ごめんね姉御。 本当は分かってるの。 姉御のあれはほんのちょっとした間違いで、あんなでかでかとした案内に気付かなかったあたしの過失の方が ずっと大きいんだって事は。 でも、でもね、姉御の言うことを疑わなかったあたしの最後の希望を、 よりによって姉御が打ち砕くのはあんまりだと思うんだ。 なんかもう、自分でもどうにもならない。誰かにこの怒りをぶつけないとやってられないの。 ほんとにごめんね、でも今だけは言わせて。 「姉御なんて…………だいっきらいだああああぁぁぁぁ!!!」 余談だが、翌日からの修行は一対一をすっ飛ばして次のステップに入った。 → 駆け出しローグの日記 アイゼンにて ← 駆け出しローグの日記
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7月 追加されたドラゴン バーベキュードラゴン ビールドラゴン リバティードラゴン ルビードラゴン 期間限定ドラゴン配合 夏 レア度 名前 素材1 素材2 ☆4 バケーション ☆3シード ☆3ストーム ☆4 サンフラワー ☆4バケーション ☆5サンライズ ☆5 サマー ☆4サンフラワー ☆4サンフラワー ☆5 バーベキュー ☆4サンフラワー ☆4ガーゴイル ☆5 ビール ☆4サンフラワー ☆4スクリュー ☆5 リバティー ☆5バーベキュー ☆5ビール ☆5 ルビー ☆4ウォーターLv.15 ☆4アングリーLv.15
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・エロなし ・ハントマンもドラゴンも(今のところ)でてきません ・ネタバレはニギリオの宿まで。 いつもと変わらない朝。 いつもと変わらない目覚め。 いつもと変わらない一日を始めるために僕は粗末な寝床を後にした。 コレルという名の使用人がいる。 若くて健康で性格も良く、使用人としての適正に溢れた優良物件だ。 本人がそう言うんだから間違いない。 所はアイゼン、貴族街の周辺部に、僕の住み込むその小さな家はあった。 まずは箒を担いでそう広くもない庭と玄関を掃き清め、それが終わったら洗濯にとりかかる。 そろそろ買い換えなきゃダメかなとボロい物干し竿を見ながら洗濯物を干し終わると、 次は水汲みと雑巾がけに入らなきゃいけない。 家の要所をカラ拭き水拭きし終え、それじゃ洗濯物が乾くまで休憩でもするかと 本棚に寄りかかって一冊拝借しそのページを開こうとしたところで旦那様から声がかかった。 「おーい、コレル!」 一行も読むことなく本を戻し、書斎へ向かう。 広げた書簡にせわしく筆を走らせ、次々と文を書き連ねるのに合わせて 眼鏡越しの視線を言ったり来たりさせる長い黒髪で僕と同年代の青年は、 僕が戸を開けると目を向けてくる暇も無いように仕事を続けながら言った。 「来たか?悪いけどそろそろ昼にしてくれ、忙しすぎて腹が減ってきた」 「はーい」 あれが僕のご主人だ。 一家代々旦那様の家の使用人をしてきたその息子である僕は、幼い頃から旦那様と共に育ってきた。 とあることで旦那様の両親と僕の両親を一辺に失う悲劇に見舞われつつもどうにか二人でやってきたのだ。 とまあ、もし僕たちが異性同士だったらなんらかのロマンスが生まれていたかもしれないが、 あいにく僕も旦那様も男なのでそういったことはなかった。断じてなかった。 ……ともかく台所へ行き材料の確認をする。 ご飯の残りとくず野菜が少々。前もらってきた鶏肉の残りもそろそろ使ってしまおう。 火を起こして簡単に味付けしたお粥を作り、肉団子を入れる。 待つことしばし、よし完成。 出来たお粥を取り分ける。このとき肉団子は全て旦那様の方に入れるのが大人の常識というやつだ。 お椀を二つお盆に載せ、書斎へと取って返す。 「お待たせしましたー」 「お、じゃ昼にするか」 ずずー。 旦那様の前にお椀を置き、僕もそばにある小さな物書き机にかけて食べ始める。 ……うん、もうちょっと味が濃くてもよかったかな? 無言で食べ続ける旦那様は、その内ふと思い出したように口を開いた。 「ああ、そういや忘れてたけど言おうと思ってたことがあるんだが」 「はい?」 ずずー。かつかつ。 聞き返す間にも食事を続ける旦那様は、また少しお粥をすすり、そしてお椀を口から放してこう告げた。 「お前クビ」 こうして僕は、かの悪名高いニギリオの宿の門を叩くことになった。 森の中にただ一本通っている道を歩きながら考える。 人生なにがあるか分からないもんだなあと。 感慨に耽りつつ歩き続けているうち、やがて本当にこの先に何かあるのかと思ったほどの静かな一本道の先から 木々の匂いとは違う匂いが漂い、開けた土地が見えてくる。 程なく、僕の眼前に落ち着いた意匠のいかにも温泉宿といった建造物が現われた。 あれが今日からの僕の職場、ニギリオの宿だ。 その庭先に佇む従業員らしき女の人に、僕は近付いていった。 「あの」 「いらっしゃいませ~人類最後の桃源郷、ニギリオの……あれ?ルシェの……お客さん?」 「いえ、新しい使用人ですけど」 「ですよねー!」 「……」 ですよねーって。 まあ船に乗ってここまで来れたという分を差し引いても身なりを見れば丸分かりなんだけどさ。 「まあそういうことで来たんですけど……まずはどちらに伺えばいいですか?」 「そうですねー、入って左の受付に断ってから二階のご主人の部屋へ伺うといいと思いますよ」 「あ、丁寧にありがとうございます」 「いいえ~、これから同僚になるわけですし。お仕事は辛いですけど脱そ……めげないで一生懸命頑張ってくださいね~」 今脱走って言おうとしませんでした? さて。結局のところ僕はここに来ているわけだがもちろん黙ってクビになってきたわけじゃない。 『……クビ?今クビって言いました?』 『ああ言った、確かにお前クビと言った』 『……な』 『な?』 『なんでまたいきなり!?クビになるようなことをしでかした覚えはありませんよ……?』 『……まあな。そもそもお前がどうこうじゃなくてこっちの都合だからな』 『はあ……』 ちなみにこの間二人ともお粥をすすりながらの会話なので緊迫感もなにもありゃしない。 『とりあえずお前、ウチがしがない貧乏貴族だってことは知ってるな?』 『はいまあ、お金も地位も力も無いうだつのあがらない貧乏貴族であるという程度には』 『張っ倒すぞ。ともあれまあそういうことだ、……ぶっちゃけお前を雇っておくほどの金がなくなった』 『給料なんてもらった覚えがありませんよ』 『金があっても俺がお前に給料をやると思うか?』 『いいえ、全く』 『本当のことだがムカついてきたぞ。まあ、これ以上お前を食わせていけないのも本当だけどな』 『でもですね、でもですよ?いくらなんでも二十年近く連れ添ってきた僕を、 いきなりクビってのはあんまりじゃないかと!今まで築いてきた絆というものを考慮して頂けないですか』 『絆じゃ飯は食えない』 『うっわひどい!友情はプライスレス』 『……下らないことを言うな。』 『だってそうでしょう!ああこれまで僕が信じてきたものはなんだったんだろう。こんな鬼や悪魔のごとき所業を受けようとは』 『……食わせておけなくなったとはいえお前の再就職先だけはなんとか見つけておいたんだがな』 『神様仏様旦那様。やっぱ絆を信じてよかった』 『現金すぎるだろお前……まあ、とにかくそこへ行きゃ飯だけは何とかなるだろ。ニギリオの宿ってとこだが』 『……… ……え?ニギリオ?』 とまあ、そういうわけだ。お金が無いと言われちゃ居座っているわけにもいかない。 共倒れしたってしょうがないしね。 さて、受付も通っていよいよここの主、ジェンジェン爺とご対面だ。 使用人ネットワークの産物として僕もジェンジェン爺の噂は色々と耳にしている。 曰く、裏の世界の覇王。金の亡者。元マフィアの頭。 そのくせ根城に引っ込んで金儲けに勤しむ温泉宿の主人としての顔を持ってたりする偏屈ジジイ。 その裏の実態を知っているものは本人を除き一人もいない…… ……温泉宿の使用人として呼ばれたわけだし、そんなに心配しなくていい、はずだ。うん。 深呼吸を一つ、僕は支配人室に踏み込んだ。 「失礼します……」 「おおいらっしゃいま…………ってなんだ!」 部屋の中にいた黒髪の老人が振り返り、さっそくお小言が飛んできた。 「お客様かと思えば薄汚いルシェではないか!さっさと用を済ませて仕事に戻…… ……うん……?たしかお前の顔はまだ見たことが……」 いきなり叱咤モードに入りそうになった老人は、新顔である僕を見て一旦停止する。 人の出会いは最初が肝心、僕は背筋を伸ばしてはっきりと自己紹介した。 「あ、はい!以前こちらに伺いましたショウジュの家から新しくご奉公に参りました、コレルと申します。 至らないところもあると思いますが、一生懸命働かせていただきますのでどうぞよろしくお願いします!」 「……ふん。最近の者にしては多少躾が出来ているようだな。ショウジュ……?たしか……」 振り返った黒髪の小柄な老人は、再び机に戻って何か帳簿のようなものをめくり始めた。 これが、ジェンジェン爺。……驚くほどイメージどおりでちょっと怖い…… 「ショウジュ!そうか、あの糞生意気な若造だな!……そうか、お前か! 人を馬鹿にしくさった態度で使用人を紹介しましょうかなどといらなくなった穀潰しを押し付けてきおって!」 「す……すいま……」 なんて言い草だろうか。 当たってるだけに。 予想通り過ぎる人柄に毒を抜かれつつも、僕は次の言葉を待った。 「まったく……で、ここの使用人になりに来たとか言っておったな……」 「は、はい」 ジェンジェン爺は後ろを向いて何か別の冊子をめくって行く。 遠めに見る限り使用人の、名簿?……のようだ。 「ふん」 「……」 「小僧」 「はい!」 「働きに来たと言ったな」 「はい、どうぞよろしくおね」 「いらん、帰れ」 「ご無体なっ!!」 それはもう突然かつ完璧な宣告だった。 か・え・れ。帰れ。 ……前述の通り、僕には帰る場所がない。 帰れといわれて帰るわけにはいかないのだ。 【粘りますか?】 ……もちろん『YES』だ! 「なんじゃその目は!? ウチにはすでに十分な数の使用人が働いておる! 無駄な人員に払う金などないわ!」 【それでも粘りますか?】 『YES』 「帰れと言っとろうが! 何か?自分がよければこの零細経営の宿が苦しくなってもいいというのか!? なんと自分勝手な、ああこれだから近頃の若い奴は嫌なんじゃさっさと帰れ!」 【負けずに粘りますか?】 『YES』 「ええい……しつこいやつめ! これでもやるからさっさと帰れ!」 【パロの実を手に入れた!】 【…………死ぬ気で粘りますか?】 『……YES』 「なんじゃと!?これでも帰らないのか! ええい、それならやったものを返せ!」 【パロの実を取り上げられた!】 「……ふん、そこまで言うなら雇ってやってもいいぞ? その代わりここの使用人が一人泣くことになるがな、それが資本主義というものじゃしな!」 「!?」 「やれやれ、そうと決まればクビにする奴を決める作業にかからなくてはな。 心が痛むが仕方ないわい、一人を救えば一人が救われない、それが世の中というものじゃ。 諸行無常、盛者必衰、南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏。 後から来た奴が諦めれば万事丸く収まるのにな」 「……」 【……本当に、全力で、恥も外聞もなく、土下座して粘りますか?】 『YES』 「……心の底から申し上げます、どうぞ、これ以上、酷いこと仰らずここへ置いてくださいませんでしょうか」 「!?」 「どんな仕事でも喜んでやりますので、ほんとに、どうか、ちょっとでいいんで哀れみの心をお願いします、いやマジで……」 ……粘ること30分。どうにか僕は生きていく場所を手に入れた。 ―――――――――――――――――――― これが、僕がニギリオの宿で働くに至るまでの経緯だ。 ここらで一つ閑話休題を入れて頭をリセットしたいところではあるけれど、 残念ながらそんな話題もないので現在の僕の様子に移ろうと思う。 宿泊施設の朝は早い、めっちゃ早い。 日が昇る前に起きだし、僕は同僚達と共に仕事に取り掛かった。 ちなみに、僕たちが寝起きする宿舎についての描写は特にしないので自由に想像して欲しい。 たぶんそれで大体合ってる。 僕達の最初の作業は露天風呂の掃除だ。 お客さんの中には朝風呂という奴がめっぽう好きな人もいるわけで、彼らが起き出してくる前に 夜の間に落ちた葉っぱやらなんやらを片付けてぴかぴかに磨き上げておかなければならないのだ。 かき集めた落ち葉などを捨てに行くと、ちょうどゴミ出しに来ていた給仕の女性が声を掛けてきた。 「あ、おはよう。どう?そろそろ仕事には慣れた?」 「おはようございます。はい、しっかり教えてもらえるおかげでバッチリです」 「うん、クタベさん面倒見がいいもんね」 この人がニコレットさんだ。 僕より少し年上で、担当は違えど仕事に関することを色々と教えてくれる。 とても明るくいつも笑顔を絶やさないので皆から親しまれていて交友関係も広い。 ちなみに、さっき話の中に出てきたクタベさんというのは…… 「おぉい、立ち話もいいがきちんと仕事を片付けてからにしないとダメだぞ」 噂をすれば影。振り向けばクタベさんがデッキブラシを持って苦笑している。 「あ、すみません。じゃニコレットさんまた」 「私も仕事しなきゃ」 「さ、行こう」 そうしてニコレットさんは戻っていき、僕はクタベさんの後について歩き出した。 クタベさんはここの使用人達の中では年長の、ややくたびれた感のある男性だ。 けれど僕は、その小柄だけどがっしりした体躯や積み重ねた苦労が刻まれたかのようなシワをかっこいいと思ったりする。 後輩や新入りにも優しく、新入りである僕を同じ班に入れて色々面倒を見てくれるいい人だ。 「それにしてもなかなか飲み込みが早くて、助かるよ」 「あ、ありがとうございます。ずっと使用人だったんで、掃除とかは自然と分かるみたいです」 「ああ。だが、ここは大勢のお客様を相手にするところで家付きの使用人とはだいぶ違う。 そのあたりのことはやはりニコレットに教えてもらうといいかもしれないな」 「はい」 そう。生まれたときから使用人になることが決まっていたような人生を送ってきたおかげで 仕事自体はそう苦にならないが、やっぱりお客さんを相手にするというのは違う。 使用人としてはともかく接客業のスキルがない僕はまだまだ仕事を任せられるレベルじゃないということだ。 少しでも早く仕事を任せられるレベルにならねばと誓いつつ、後は黙々と作業をする。 掃除しなければいけないところはいくらでもあるし、水を汲んだり食材を運んだりとやることは尽きないのだ。 ただでさえ無理やりここの使用人に納まったことでジェンジェン爺からいい目で見られていない僕は、 評価向上のためにそりゃもう馬車馬のように働くほか無かった。 ただ、今だから思えることがある。あの時『働きたい』と言ったからあんなに帰れ帰れ言われたのであって もし『働きたくない』と言っていたら速攻で働かせてもらえたんではなかろうか。 ……そんな訳無いよね。そんな訳無いと思うことにしよう。 「……ふぅっ」 とりあえず仕事は一段落着いた。 もちろん掃除なんてのは一日中やってたって足りないわけだし一日の仕事はまだ始まったばかりだが、 とりあえずお客さんが起きて来るまでにやらなければいけないことは終わった。 この後は朝食を取った後、いくらやっても終わりの無いエンドレス掃除タイムに入ることになる。 それにしても。 一つ一つの仕事が苦にはならないとは言ったが、全体的なキツさとしては相当な感がある。 まだ仕事はいくらでもあるのに、足腰の筋肉は微妙にだるい。 この調子で身体を酷使していけば、行く末は『貧相なくせにガチガチ』と揶揄される 典型的な小作人体格になっていくこと請け合いだ。ま、今でも微妙にそうなんだけどさ。 しかし、こうしているとなんだかまんざらでもない感覚と共にこんなフレーズが浮かんでくる。 ……労働って、いいね! 「……なに爽やか気取ってやがんだか……」 見られてたよ。 若干バツの悪い思いをしながら振り返ると、そこには 不機嫌そうな視線を投げる短髪の青年が一人座り込んでいる。 「……えと、すいません」 とりあえずなんだか気に障ったらしいので謝っておくが、 どうやら先輩殿の機嫌は思ったより悪いらしかった。 「けっ、別に謝ってもらわなくたっていいけどよ。 あのクソジジイにこき使われてんのに、それを喜んでやってる奴がいると思うと嫌になんだよ」 「はぁ」 ……成程。これが無理やりつれてこられたクチか。 知っての通り、ここで働いている人達の事情には二種類ある。 一つは僕のようにこの不況で勤め先が無くなり、ここに身を寄せて来るタイプ。 そしてもう一つが、詐欺に遭ったり借金のかたに売られたりしてここで働くよりなくなったタイプだ。 目の前にいる先輩はどうやら後者のようだった。 「……先輩は、どうしてここに?」 今思えばここで黙ってればよかったのだろうが、僕は地雷原に続く一歩目を踏み出してしまった。 案の定先輩は険悪度を上げた視線を向けてくる。 「……騙されて連れて来られたんだよ。んなこと聞いてどうするってんだ」 「いや……ここで働いているのが不満なような感じだったんで、なんとなく」 「ここで働くのが、だ?いちいちすっとぼけたこと言ってイラつかせてくれる野郎だな…… いいか?俺はな、金持ちだの権力者だのそういう奴らが皆だいっ嫌いなんだよ。 俺達みたいな底辺層を踏み台にして自分が得することばかり考えてやがる、 そーゆー奴らに尻尾振ってる奴も俺は大嫌いだ」 「……」 むう。 さすがの僕でも『尻尾振る奴』が誰を指しているのかは分かった。 随分と嫌われてるなあ。 さて、こんなところでケンカ腰になるほど分別が無いつもりは無いけどここで引き下がって それこそ尻尾を振るしか能のないやつだと思われてもつまらない。 一応説得を試みては見よう。 「……これでも尻尾振ってるつもりは無いんですよ? ただなんていうか、性格的に仕事はきっちりしないと気が済まないっていうか」 「仕事、ね」 「………… いけませんか?自分の仕事ちゃんとやるってのはおかしいことじゃないと思いますけど」 「いけねえなんて言ってねえよ、ただ使う側の奴らに良い顔してんのが気にいらねえだけだ」 「良い顔したいんじゃなくて仕事をちゃんとしたいだけだって言ってるじゃないですか……!」 まずい、険悪な雰囲気になるのが止められない。 だけどここで引き下がるわけにはいかなかった。 好むと好まざるとに関わらずずっと使用人をやってきて、それなりに使用人であることの誇りも美学もある。 それを根底からぶち壊されるようなことを言われて、黙っているわけにはいかないのだ。 「大体、聞いてれば使う側の人をよく思ってないことは分かりますけど。 元々が使用人なんて使う主人がいて初めて成り立つ商売じゃないですか。そのことを踏まえた上で 使用人としての誇りを持ってやってるんだから、他人にとやかく言われることじゃないと思います」 「誇りだ!?使用人の?そんなもんが本当にあると思うか? 雇う側の都合であれだこれだ指図されて所有物として扱われて、牛や馬とどこが違うんだよ!」 「牛、馬、所有物で結構です!自分の財産を大事にしない人がいますか!? 働かせるために雇った人材にわざわざ意地悪して働けなくしたり長続きしないようにさせる人がいますか! 自由が少ないのは事実ですけど、少なくとも使用人だって真面目にやってりゃそれなりに幸せになれるじゃないですか! そんなことも考えられないんですか?」 「……」 「……」 「……ああそうかよ」 彼は立ち上がった。 こちらを真っ直ぐに睨みながらつかつかと歩み寄ってくる。 「そうだろうな。お前の言ってることは間違ってねーだろうさ。 で、悪口ばかりで真面目にやらねー俺はたるんでるだけだと。結構だよ。 でもな」 そして彼は、右手で向こうを指差した。 「あいつに同じことが通じるか?」 彼が指差したのは、重そうな水桶を運ぶ小さな女の子だった。 その身体に見合わない大きな桶を提げ、懸命に運んでいる。 「あいつだけじゃねえ。ここには小さい奴も身体の弱い奴もいるのは知ってんだろ。 そいつらはな、使用人が向かないからってやめるわけにはいかねえんだよ。 その自由が無いことは大したことじゃねえのか?俺は納得いかねえんだよ」 「……ぅ」 「確かにお前みたいな健康で良く働く馬なら大事にしてもらえるだろうけどな。 病気の馬やヨボヨボになって働けなくなった馬はどうだ?下手すりゃ処分されるだけじゃねえか!」 ……ヘコんだ。 完膚なきまでにヘコんだ。 あのあとまた仕事に戻り、今は昼の休憩だ。 どうも僕が精神的にやられたことは顔に出ていたらしく、クタベさんにかなり心配されてしまった。 「……はぁ」 「どーしたの、そんな暗い顔して」 「ニコレットさん」 本当に余程ダダ漏れらしい。ニコレットさんまで声をかけて来た。 「いえ……なんでもないです」 「なんでもなくないでしょ。ま、無理に話せとは言わないけど」 「……すいません。どう言えばいいのか分からなくて」 「気にしない気にしない。さ、元気出して。もう休憩終わりよ」 (……反論できるだろうか) あの先輩の言ったことは事実だ。 僕にとっては従属なんて苦痛でもなんでもないが、それはあくまで『僕にとっては』だ。 思えば僕はいい環境に恵まれて居たのだろうが、そうでない人だっている。 そんな人たちが居るということを踏まえた上で僕はどう振舞うのが正しいだろうか。 世を嘆きながらなるべく嫌そうにしているとか? そんなわきゃ無い。 ………。 (……なんかだんだん腹が立ってきたぞ) そもそも僕は何でこんな事で頭を悩ませてなきゃいけないのだろうか。 これは社会の問題であって、一介の使用人である僕が考えなきゃいけないことじゃないはずだ。 せっかく温泉宿なんて珍しいロケーションでの使用人ライフを送れると思ってたのに…… (……あ) あの子だ。 相変わらずその小さな身体では無理のある仕事を懸命にこなしている。 「……」 僕は黙って彼女に近付いた。 「あ」 「よっと」 水桶を引き取り、ポカンとして見上げてくるその子に聞く。 「どこまで持っていくの?これで終わり?」 「え?え、えと、お風呂の入り口に置くんですの。それで、お客さんが使って無くなったらまた……」 「分かった。じゃ早く戻してお客さんのチェックに戻ろう」 それだけ言って駆け足で浴場入り口へと向かう。 呆気に取られていた女の子も一拍遅れて付いてきた。 「……ここでいい?」 「は、はいですの、あの」 「じゃあ、また無くなったら呼んでくれる? 桶を運ぶのは僕のほうが向いてるから、その間お客さんの相手をしてて」 「でも、あの、それじゃお兄さんの仕事が」 「大丈夫、僕は働き盛りだからその分たくさん仕事をしなきゃいけないんだもの」 じゃ、と言い残して自分の仕事場へ戻る。 「……」 デッキブラシを手に取った。 気合いが漲る。 傍目からはさぞ間抜けに見えるだろうが、今の僕の心は巨大なドラゴンに立ち向かうハントマンのようだ。 「いくぞ」 そうだ。なんかもう吹っ切れた。 さっきのことは我ながらなかなかの偽善っぷりだった。 他人を手伝ってる暇があったら自分の仕事をしろという嘲りが聞こえるようだ。 ……なら自分の分と他人の分を引いてもお釣りが来るくらい仕事すれば問題なしだ! 「てやああぁぁー!」 気力満点、僕は猛烈さの中にも丁寧さを忘れない心構えで一気に仕事の殲滅にかかった。 「……ふぅっ!」 非常に疲れたがそれもこの充足感を思えば吹っ飛んでしまおうというものだ。 受け持った掃除箇所をいつもより一時間ほど早く掃除し終え、 余った時間で夕食の準備でてんてこ舞いの厨房へ材料を運んだり水汲みを手伝ってきた。 仕事がはかどったという事実はこうも自尊心を満足させる。 「……今度はなんなんだ」 あの先輩が箒を手に立っていた。 その表情はどことなく呆れているようにも見える。 ぎろりとねめつけ、僕は言った。 「…………こうしないと、自分のスジが通せないんですよ!何か文句ありますか?」 「何も言ってねえだろ!?なんでつっかかってくんだよ!」 「朝方散々つっかかって来たのはそっちじゃないですか!」 びっ!と人差し指を突きつける。 「ええ、ええ、そりゃ世の中いい人ばかりじゃないし僕と違って辛い思いしてる人もたくさんいますよ! じゃあどうしろってんですか!百歩譲って不愉快なのは分かりますけど、 それなら一緒にいやーな顔してれば満足なんですか?違うでしょう!? じゃあどうしろってんですか!!僕に何が出来ます?何も出来やしませんよ!!」 「逆切れかよ!?」 「逆切れでなにが悪いんですか!人の使用人ライフに水を挿すようなことばっか言って!」 「悪かったな!でもな、これだけは譲れねーぞ! 仕事のためだろーとなんだろーと、それで無理に仕事させられる奴らのことを仕方ないなんて」 「誰が言うんですか!そういうときは助け合うでしょう!?」 「ん、おう」 「だいたいどうにもならないことがあるからってウジウジしててもしょうがないじゃないですか、 それならそれなりにせめてマシな環境を作れるように知恵を絞るのが前向きな生き方でしょう」 「ああ、で……」 「別にお互いに支えあっちゃいけないとか言われてる訳でもなし、 最終的に仕事さえできてりゃここの主人なんかは満足するんだから 適当にこっちで工夫すればいいんですよ!大体……」 「だから、その……ちょっと待て」 「与えられた……はい?なんですか?」 「えと、あの、な? ……俺は別にお前があのクソジジイの手駒になるんじゃないかと心配してるだけで、 お前のポリシーを否定したいわけじゃないってかむしろどうでもいいというか……」 「…… …………ええーーーーー!?」 「ええーって言われても」 「え、だって、それじゃ僕は何のためにあんなに悩んだり……」 「知るかよそんな事」 ……なんということだろう。 あまりのことに僕はがっくりと膝をつき、思いっきり脱力してへたりこんだ。 ああ、気力が尽きた。 あからさまにやる気のなくなった僕に、先輩は念を押すように聞く。 「で、もういっぺん聞くぞ。身体の弱い奴調子の悪い奴、立場の弱い奴を監視する方になったりは……」 「しませんよ、そんなこと」 「……そうか」 一拍、間が空く。 「……じゃ、お前もちゃんとした『仲間』なんだな。疑って悪かった」 「あ」 差し出された手を見る。 やがて、段々と、僕は理解することができた。 新しい友達ができたのだ。 たった今失われた気力がもう戻ってきた。 我ながら分かりやすいと思いつつも、その手をしっかりと握り返す。 「……どうも。これからよろしく」 「へっ」 そうして僕の仲間は一人増える。 ここへ来たときはどうなるかと思ったが、ニコレットさん、クタベさん、そしてまた一人分かり合える人ができた。 この分なら新しい生活にもきっとすぐなじむことが出来るだろう。 そう信じるのに十分なこの一日は、後に他にも色々な人たちと仲良くなるのに大きな自信を与えてくれた。 …… 眠くなってきた。 まだ彼女のことを書くところまでいっていないが、明日も早いし今日はこの辺でやめにしよう。 所はアイゼン、東の半島。そこにある温泉宿で、僕は明日も働いているだろう。
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No.093・・・ダークドラゴン 種族:りゅう タイプ:ガッツ 大きな力を持つ闇のドラゴン。 性格はとても凶暴で、1度あばれだすと 手がつけられない。 特技:炎のブレス 強力な炎の息をはいて、その方向にいる 全員にダメージを与える。 合体作成例 B・E・Wドラゴン+ビックロウ No.092・・・ガーダードラゴン No.094・・・B・E・Wドラゴン 竜族ではB・E・Wドラゴンに次ぐかなりの強モンスター。全体的に能力が高く、特技は一方向の敵に70の固定ダメージ。複数の敵を巻き込めれば効果は大きい。B・E・Wドラゴンにもいえるが、竜族の小回りの聞かない移動パターンが唯一の弱点か。 自分のダークドラゴンのパラメータは体力248 攻撃151 防御98 移動7。 -- 名無しさん (2012-03-29 13 49 07) ブルーアイズに劣らない強さ。一例:体力244/攻撃150/防御98/移動7 -- 名無しさん (2012-11-10 22 16 41) 作り方はブルーアイズと同じで餌を肉にするだけ。 -- 名無しさん (2013-01-14 19 22 20) 暗黒のドラゴンのそっくりさん -- 名無しさん (2013-05-11 01 17 56) 上の方と同じく自分のダークドラゴンも248-151-98-7 最高だと思います -- 名無しさん (2013-06-14 19 50 46) ブリードで248-152-98-7。 -- 名無しさん (2018-09-02 20 04 43) ダイナソーウィングからカッパマンに進化させようとしたらダークドラゴンになったけど、リセットを繰り返したら無事にカッパマンになった -- 名無しさん (2018-10-07 16 27 59) 247 151 98 7 -- 名無しさん (2020-05-16 18 43 32) 名前 コメント
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サムネイル画像 タイトル CYBER BRAIN 2076 作者名 ◆.jWOXYLbLo 原作 オリジナル作品 ジャンル SF 主人公 ウツロイド(ポケモン)チェルシー(セブンスドラゴン2020) 期間 2020/12/26~2021/01/05 掲示板 BULKやる夫板 タグ あんこ、完結作品、ダイス まとめサイト 様 やる夫達のいる日常 様 スレッド一覧 スレッド名 タグ 備考 開始日時 最終レス 【R-18】ハシビロコウ◆.jWOXYLbLoの投下巣箱20【安価・あんこ】 あんこ、ダイス #9157から「CYBER BRAIN 2076」シリーズ:スタート 2019/05/19 2020/12/29 【R-18】ハシビロコウ◆.jWOXYLbLoの投下巣箱21【安価・あんこ】 あんこ、ダイス 「CYBER BRAIN 2076」シリーズ:完結 2020/12/29 2021/07/21 同作者の作品一覧 魔界都市香港に、一つの噂在り 召喚勇者、やる夫のチートは微妙である CYBER BRAIN 2076 今日の講義は戦場で
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投下させていただきます また眼鏡メイジ♂×紫姫ですが、 コスプレ、3P、アナル、失禁、等々の表現があります 中盤の帝竜の名前やクエストのネタバレ等もあります 登場人物 カルダモン(眼鏡メイジ♂)前半は殆ど出てこない アニス(紫プリンセス)変な知識を植えつけられる ヴァニラ(青プリンセス)変なことを教える ユーカリ(ルシェヒーラー)金の亡者、扱い酷い 「もし、あなたの身に何かあったら…私は悲しみのあまり泡になってしまいます わ…」 南国育ちの少女にそう言われ、顔を赤くする男が一人。 そんな様子を見て、不機嫌そうにムスッとする女が一人。 ここはマレアイア群島国。白い砂浜、青い海。南国でバカンス、 と洒落込みたいところだがドラゴンの出現によりそんなことをしている余裕は無 い。 帝竜ドレッドノートを撃破し、マレアイア周辺のドラゴンによる脅威は去ったが 、未だ世界はフロワロに覆われ、ドラゴンが跋扈している。 全ての竜を刈り尽くし、エデンに平和をもたらすまで彼等の冒険は続く。 で、そこで先程の場面に戻る。少女が男にこんな告白紛いな事を言うのも、つい 先日の出来事が発端であった。 マレアイア群島国の騎士シャンドラが出したクエスト。 彼女はマレアイアに居る男性嫌いの女性達を説得しろ、と申し出たのであった。 そして、今まで男を見たことが無かった南国育ちの少女に頼まれたゴージャスな 羽を少女にプレゼントしたのだった。 渡した男、カルダモンは何か特別な感情を抱いてその様な行動をしたのではなく 、何も考えずにそうしただけである。 だが、そんな場面を見せられて彼と一応恋仲であるアニスは心穏やかではいられ ない。 それからというものの、何かにつけて彼女は彼に当り散らしている。 やきもちを焼いている、なんて口が裂けても言えるわけが無い。 行き場の無い怒り、というよりも素直になれない自分への苛立ちがアニスの心を 支配している。 「私にはプレゼントの一つもくれたことないくせに…」 散々、彼に当り散らして戦闘不能状態にまで追いやった彼女は一人語ち、大きな 溜息を吐いた。 看護する気にもなれないので、ユーカリに押し付けた。 別に物が欲しいわけではない。彼に抱きついて甘えて、他の人を見ないで、私だ けを見て、と正直に言うことが出来ればどれだけ気持ちが楽になるだろうか。 だが、それでは自分ばっかり彼のことが好きみたいで何だか見っとも無い。はふ ぅ、と再び大きな溜息を吐く。 「おやおやー、アニスちゃんもしかして…ヤキモチ焼いてるのだ?」 「んなっ…そ、そんなわけないでしょ!」 いきなり背後からヴァニラにがばっと抱きつかれて、驚くと同時に図星を指され てうろたえ、顔を真っ赤にして必死に否定する。 が、そんなことくらい当然見破られてしまうわけで、ヴァニラはアニスの様子を 見ながらにやにやしている。 「でも、最近アニスちゃんイライラしてるのだ」 「そ、それは…えーっと、生理よ、生理!」 「結構長いこと続いてるのだ。それはやばいから、産婦人科に行った方がいいの だ」 「じゃあ、更年期障害よ!」 「アニスちゃん、まだそんな歳じゃないのだ…もしそうだったら、本当に産婦人 科に…」 「もー、いい加減にしてー!」 習得もしていないのに落葉金切りを上げて、辺りに金切り声を響かせる。 町の人はばたばたと倒れていき、零距離で喰らったヴァニラは顔面蒼白でふらふ らしている。一ターンにして地獄絵図の出来上がり。 町中の人にすいませんでしたと謝り、ようやく落ち着いてから、ちゃんと話をし 始める。 「アニスちゃん、生理痛は大丈夫なのだ?」 「今はなってないから…」 顔色が元に戻ったヴァニラに深刻そうな顔で言われるが、先程のは売り言葉に買 い言葉で本当にそういうわけではない。 またもやアニスは大きな溜息を吐く。 「アニスちゃん、そんなに溜息ばっかり吐いてたら、幸せは逃げちゃうのだ。も っとにこにこするのだ」 「あんたに会ったときから不幸だらけな気がするんだけど…」 「そんなことないのだ!ヴァニラはアニスちゃんが幸せになれるようにとっても 協力してるのだ!」 確かに考え直してみれば、ヴァニラのやり方は少しばかり問題は有るかもしれな いが、結果としては悪い方には転んでいないような気がする。 とか何とか、考え初めて正常な判断が出来なくなってきている彼女に追討ちをか けるようにヴァニラは捲し立て、難無く洗脳は完了した。 ちょろいものである。 「お二人とも、どうしたんですか?」 銀色の長髪をなびかせて、やってくる男が一人。 この男、ユーカリは外面だけ見れば、人当たりの良い爽やかな好青年で、 非の打ち所の無いような完璧超人だがその反面、中身は最悪である。 たった一人でこれだというのに、ヴァニラと組めば通った所は草一つ生えない不 毛の大地にさえ至らせ、ドラゴンですら裸足で逃げ出す最凶最悪のコンビになる 。 そうなのだが、幸か不幸かアニスはそのことまで知らない。 「赫々然々なのだ」 「…これはまた面白…じゃなくて、大変そうですね」 「別にそこまで深刻な事じゃないわ…」 口ではそう言っているアニスだが、表情は暗い。 そんな彼女の様子を見て、ヴァニラとユーカリは目を合わすと、その場から少し 離れて何やら相談し始める。 二人がそうしている間もアニスは気にも留めず、憂いの帯びた表情で何度も大き な溜息を漏らす。 そういえば、カルダモンが見当たらないことに気がついた。ユーカリに頼んだの に、彼は一人で来た。 連続クリティカルで沈めてしまったので、少なからず心配してしまう。 「…そういえば、カルダモンは?」 「先程、治療院に運んで治療してもらいましたが、そこを出た瞬間、落葉金切り を喰らってまた倒れましたので、宿屋に置いてきましたよ」 「そ、そう…」 町の中で、しかもいきなりだったので、対処出来なかったようです、と続けるユ ーカリの話を耳に入れながら、 一度ならず二度までも彼を手にかけてしまうなんて…と思ったが、倒れただけで 済んだのだからまだマシ、と思い直したが、後でちゃんと謝っておこう。 「最近、アニスちゃんはカルダモンちゃんに冷たいのだ」 「その原因は…まあ、我々は解っていますが、相手が解っているかどうかまでは 、ちょっと…」 「カルダモンちゃんの鈍さは筋金入りなのだ」 「じゃあ、駄目ですね」 ははは、と暢気に二人は笑っているが、アニスにとってはそんな暢気には構えて いられない状況である。 あれこれ考えても、現状を打破する妙案は一切思いつかない。 一人で悲壮感に満ち満ちた表情で頭を抱えて、うーうー唸っている。 「…アニスさんは相当悩んでいるようですね」 「そうなのだ。というわけで、ヴァニラ達が一肌脱いでやるのだ」 新たな悪巧み、もとい人助けを思いついた二人は不敵な笑みを浮かべる。 人の恋路を邪魔する奴は何とやら、と言うが自分達は別に邪魔をしようとしてい るのではない。 むしろ、応援しているのだ。 やり方は色々と問題が有るかもしれないが…まあ、細かい事は気にしない。 そういうわけで、机に突っ伏している彼女の元へ行き、ちょんちょんと肩を突付 くと、ムスッとした表情で彼女は顔を上げる。 「アニスちゃん、とっても悩んでるのだ?」 「別に…」 「今はそんなことを言っていられる余裕があるかもしれませんが…まあ、今のま までは彼があなたから離れていくのも、時間の問題かもしれませんね」 「……」 「そりゃあ、理由も解らないのに当り散らされても気分が悪いだけですからねえ 」 「アニスちゃん、別に恥ずかしい事でも何でもないのだ。自分の気持ちに正直に なればいいだけなのだ」 「正直に、って言ったって…」 ぼそぼそ小声で何かを呟くアニスは見る見るうちに顔を赤く染めていく。 顔は真っ赤で湯気まで出てきそうだ。目の前でぱたぱたと手を振っても反応は無 い。 「アニスちゃん…?」 「そ、そんなこと言えるわけ無いじゃない!!」 「グハッ…うぅ、アニスちゃん…酷いのだ」 顔を真っ赤にして思考停止したアニスを心配して、声をかけたヴァニラは不意に 鳩尾に彼女の鉄拳を喰らい、 その場にうずくまって涙目になっている。そんな様子を見てユーカリの顔は血の 気が引いたように青ざめた。 「あ…ごめんなさい」 「確かに、この攻撃力ならひ弱なカルダモンちゃんが二発で沈んでも仕方が無い のだ…」 なんとか場を和ませようとそんなことを言いながらヴァニラは笑っているが、そ の笑顔はかなり引き攣っている。 「で、そういう風になかなか正直になれないアニスちゃんには、男の心を掴んで 放さないテクニックを伝授してあげるのだ!」 「今なら、大出血サービスで前金15000Gです」 「え、お金取るの…?」 手をわきわきと動かすユーカリと未だ腹部を抱えて青ざめているヴァニラを怪訝 そうな表情で見て彼女はそう呟く。 提示された金額を持っていないわけではないが、そこそこな高額な値段を要求さ れて、 その額をすんなりと渡す程彼女は判断力を失ってはいない。 「たったそれだけの等価で、人一人…いや、それ以上を自分のものに出来ると考 えれば、安いものです」 「そうかしら…」 ユーカリが延々と語るサービストークに押されて、アニスは自分の財布の紐を取 り出し、懐具合を確認し始めている。 ようやく痛みから解放されたヴァニラはというと、そんな状況をのんびりと眺め ている。 「じゃあ…あ、分割出来る?」 「一括のみです」 アニスは財布から15000Gを取り出し、彼に手渡した。 ユーカリは受け取った金額を数えて確認し終えると、自分の財布ではなくドデカ イ貯金箱を取り出し、それに入れた。 「ではまず、コースの説明ですが…」 「初級コース、中級コース、上級コース、超上級コースの四つがあるのだ」 「下から、5000G、4000G、1000G、500Gとなっております」 コース選択料金と成功報酬はまた別払いですよ、とユーカリは続ける。 一人からどれだけ巻き上げるつもりかは不明だが、とにかく金は取るようだ。 しかし、簡単なものほど金額が高い、というのはおかしなものである。 当然、彼女はそのような疑問を抱く。説明くらいはしてくれるだろう、と思い質 問してみる。 「なんで超上級が一番安いの?」 「超上級は超上級なだけあって、難易度が高くて、初心者にはオススメできない のだ。でもやることは一番簡単なのだ」 どんなことをするかは解らないが、簡単で安いのならば、得だと考えてしまうの が人の性ではなかろうか。 まんまと彼女はその術中にはまる。 「じゃあ、それで」 軽い気持ちで言うアニスをヴァニラは神妙な顔付きで見る。 ユーカリはにたにた笑っている。 「…本当に後悔しないのだ…?」 「ええ」 金額をユーカリが催促するので、財布から500Gを取り出し、貯金箱に入れる。 「…わかったのだ。じゃあ、アニスちゃんにはこれをあげるのだ」 どこから取り出したのか、ヴァニラは紙袋を一つ彼女に渡した。 で、その袋の中身を取り出してみる。 黒色の長い…耳? 「これ何?」 「ウサミミっていう奴なのだ」 「ふーん…」 カチューシャだから頭につけれるのだ。と言われたので、冠を外して、つけてみ る。 鏡に映った自分の姿を見てみると、なんだかちょっと気恥ずかしい。 少し動くと耳がぴこぴこ動く様子を少し楽しんでみる。 「これだけ?」 「それだけなのだ」 どうしてこれが超上級なのか解らないままだが、まあいいか、と思いウサミミを 外そうとすると、ヴァニラに止められた。 「…?これをつけるだけじゃないの?」 「それだけなのだ」 妙にヴァニラは「だけ」というところを強調する。 「いっぺんやってみればいいのだ。そしたら、もう二度としたくなくなるのだ」 と言う彼女の雰囲気はなんだか重苦しい。 そんな様子を見せられては不安になってしまう。何故だか嫌な予感がする。 「…もしかして、これしかつけない、ってこと?」 まさかそんなわけは無いだろう、あるわけ無い、無いって言ってくださいお願い します、と祈りつつ尋ねると、ヴァニラは無言で頷く。 「…あと、これもつくのだ」 シャツの襟と袖口らしきものを手渡された。こんなもので体を隠せるわけがない 。 何のプレイだ。マニアック過ぎる。なぜ超上級なのかをようやく理解した。 「…ほ、ほらアニスちゃん、一度この格好をしてみるのだ。これも経験なのだ」 ヴァニラは顔を引き攣らせてそう言いながら、アニスの服を脱がそうとし始める 。 ギャラリーと化しているユーカリは笑いながら茶を飲んでいる。 「するわけ無いでしょ!5000Gのでいいわよ!」 「キャンセル料金は2000Gです」 「…っく、払えばいいんでしょ!払えば!」 すっかり軽くなった財布の中身を見てアニスは溜息を吐く。 彼女とは対照的にたった一時間ほどで二万G以上稼いだユーカリは上機嫌で紙幣を 数えている。 「これはまともなんでしょうね…」 疲れた顔でそう言いながら、彼女は新たに渡された紙袋の中身を確認する。 今回はちゃんと上下が揃っているし、長袖のロングスカートで露出はほとんど無 く、色も地味だ。 「使用人が着る服なのだ」 確かに各地の町で見かけるメイドが身につけている衣服と細部は多少違えども、 ほぼ同じものだ。 「男の人って、メイドが好きなの?」 「私は特別好きではありません」 「使用人という職業のイメージや、視覚的なものが大部分を占めてるのだ。とい うわけで、着てみるのだ」 先程と違って、その服を着ない理由も無いので、ドレスを脱ごうと手をかけたが 、 いつまでも茶を飲んでいるユーカリの存在を思い出し、彼をギルドハウスから追 い出してから、メイド服に着替えた。 普段身につけているドレスよりもゆったりしていて、装飾も少ないがこれはこれ で味があるような気がする。 「で、この格好をしてどうするの?私、アースブレイカーなんて出来ないわよ」 「そんなアグレッシブな事はしないのだ。メイドの仕事を考えてみるのだ」 自分の周りには使用人はいないが、各地の町で見かけるメイドが何をしているか 思い出す。 「旅。って、ことはやっぱりアースブレイカーか…」 「確かに各地で会うけど、あのメイドさんは特別なのだ。他のメイドさんの仕事 なのだ」 「メイドの仕事ねぇ…うーん…」 掃除、洗濯、料理等々仕事はたくさんある。家事の苦手なアニスにとって、使用 人という職はかなり難しいものであろう。 「料理が苦手なアニスちゃんでも、簡単に作れる料理があるのだ。材料もあるし 、作り方を教えてあげるのだ」 調理場に移動し、その料理の調理法を教えてもらった。料理に関するスキルが上 がったような気がした。しただけ。 そして、その晩。 餌をくれ、と擦り寄ってくるタマに餌をあげ、撫でくり回して遊んであげる。 早く来ないかな、と思う半面、来たら来たでどきどきしてしまうので、来なくて もいいとも思ってしまう。 「ああー、どうしよう…やっぱり止めようかな…」 「何がですか?」 「きゃあああああっ!!」 いきなり声をかけられたので、驚いて大声を出してしまった。 自分が驚いたのは当然だが、急に大声を上げたので相手もかなり驚いたようで、 うろたえている。 「な、何ですか…いきなり叫んで…」 「あんたがいきなり声をかけるからじゃない…あ、えっと…お帰りなさい…」 「?あ、はい」 顔を真っ赤にして、たどたどしく言うアニスだが、カルダモンは特に気に留める 様子も無く、普通に返事をする。 「あ、ご飯作ったんだけど…食べる?」 「え、アニスが作ったんですか?」 「私だって、料理の一つくらい作れるわよ」 一つ「くらい」ではなく、一つ「しか」作れない、ではあるがその辺に関しては あえて言わないでおく。 「ふふ、すいません…じゃあ、頂いてもいいですか?」 自分でもいい雰囲気だな、と思ってしまうほど順調に事が運んでいる。椅子から 立ち上がり、調理場に移動する。 「…そんな格好して、どうしたんですか?」 彼はようやく彼女の服装が普段と違うことに気がついた。 「別に…たまには、こんな格好もいいかなーって、思ったから。…変かしら?」 「そういう事は無いですが…ただなんとなく、小公女を思い出しました」 「何それ?」 「父を亡くし、お嬢様から小間使いになった少女の話です。 私はその転落っぷりが見てられなくて、途中で読むのを止めてしまいました」 よく解らないが、とりあえず、あまりいい印象は受けてないのだろうか。 だからといって、文句を言うわけでも無いので、それほど悪くもないようだ。 そんなことを考えながら、料理をテーブルに運んだ。と、その途端カルダモンの 表情が凍った。 「…料理って、これ、ですか?」 「ええ。おかわりもあるわよ」 目の前に置かれた器の中で青っぽい色彩の触手がうぞうぞと蠢いている。 ろぉぱぁうどん。 椅子に縛り付けられて、逃げることも出来ず、無理矢理に食べさせられたのを思 い出し、急にきりきりと胃が悲鳴を上げ始める。 テーブルの向かい側に座っている彼女はにこにこと微笑み、彼が自分の手料理を 食べてくれるのを待っている。 果たして、ここは男を上げる為に泣きながらでも腹に入れるべきか。 それとも、自分自身の身を守るために適当に理由をつけて逃げるべきか。 「そういえば、さっき六花亭で晩飯食べたんでした。 …もう、十分食べましたし、申し訳ありませんが、遠慮させて頂きます」 自分の身の可愛さに逃げの選択肢を選んだ。そう言うや否や彼は椅子から立ち上 がり、そのままギルドハウスから出ていこうとする。 「えーっ、一口くらい食べてくれたっていいじゃない。カロリーも低いし、薄味 だし」 そう言いながら彼女はろぉぱぁうどんを持って彼ににじり寄る。 相変わらず触手はうねうねと元気に蠢いている。 一歩近付くと、一歩逃げられる。気不味い雰囲気が二人の間に流れる。 「いえ、もう、本当に…お腹いっぱいなので…それに私、少食ですし」 彼はそう言い残すと背を向けて家から出て行こうとした。 が、メイジがプリンセスに素早さで劣っているのは明らかなので、やっぱり先制 されるわけで。 アンゼリカEXろぉぱぁうどん。 翌朝、町の一角でうどんまみれで倒れているカルダモンが発見された。 だが本人の記憶が曖昧で、目撃証言も無い為、詳細は不明。 「初級ではだめだったから、中級編に移行なのだ」 「中級コースは4000Gです」 不動産パンフレットを本棚から取り出して来て、その本の間に隠していたヘソク リから提示された金額を支払う。 「そんなところに隠していたとは…一度、家捜しでもしてみますか」 ユーカリはそんな事を言いながら受け取った紙幣を数えて、貯金箱に入れた。 「これはアニスちゃんにぴったりだと思うのだ」 そう言うヴァニラの話を耳に入れながら、手渡された紙袋の中身を取り出す。 黒のレザーの布が少ない衣服。更に革の鞭も入っている。 「女王様なのだ」 なんとなくぼんやりとは知っていたが、実際見たのは初めてで、広げてどんなも のかまじまじと見る。 とりあえず、普段の彼女の格好に比べると、かなり露出が多いということだけは わかった。 「でもよく考えたら、アニスちゃんはぱっと見は強気だけど、責められると弱い のだ」 「変な事言わないでよね…」 顔を赤くして文句を言うものの、実際そうなので否定は出来ない。 今回も着替えるだが、男が居ては着替えられない。そういうわけなので、またも やユーカリを追い出した。 で、それに着替えた。 「ちょっと…布、少なくない?」 「これはまだ露出が少ない方なのだ」 上半身はシャツとオープンバストコルセットを身につけ着込んでいるが、 下半身は際どいラインのショーツのみとかなり露出度は高い。 Tバックショーツなので臀部の大部分が見えており、アニスは手で尻を隠そうと する。 もじもじしているアニスを見て、ヴァニラはしゃきっとするように言うが、 言われただけで出来るのならば誰も苦労はしない。 「ロングブーツとガーターベルトがあるけど、どっちがいいのだ?」 「…どっちでもいい」 「投げやりなのは良くないのだ…まあ、それはともかく、ヴァニラが思うにカル ダモンちゃんはガーターベルトの方が好きだと思うのだ」 一体何を根拠にそんな事を言うのかは解らないが、ヴァニラは妙に自身あり気に 言う。 もう殆ど彼女のやりたいようにさせている。それ以前に、抵抗しても意味を成さ ないだろう、という諦めが大部分を占めている。 「このショーツは着脱式で、ガーターベルトはここに取り付けるのだ」 金具を取り外してショーツを脱がすと当然、下は何も穿いていないので薄い茂み が露わになる。 いきなりそんなことをされて、アニスは顔を真っ赤にし、声にならない悲鳴を上 げる。 もし今の状況を誰かに見られたら、もう弁解のしようも無い。 「んー…アニスちゃんは下の毛は薄いけど…一応、処理はしておくのだ?」 「え…ここで?」 「後で一緒にお風呂に入って、そのときにヴァニラがやってあげるのだ」 「そんなことまでしてくれなくてもいいわよ…」 そう言って断るのだが、風呂場に引き摺って連れて行かれ、抵抗も出来ぬまま結 局してもらった。 その際に散々啼かされた。 そして、その夜。 「さ、寒い…お腹冷える…」 椅子に座って肩を抱いて縮こまり、そう呟く彼女の服装は上半身はノンスリーブ シャツとロンググローブで一応布があるが、 下半身は申し訳程度にショーツ一枚があるだけで、殆ど裸に等しい格好である。 このままでは風邪をひいてしまいそうなので、ベッドから毛布を一枚持ってきて 被り、 テーブルに突っ伏していると段々とうとうとし始めてきた。 「ふぁ…まあ、来てから起きればいいわね…」 そのまましばらくすると、すやすやと気持ち良さそうに寝息が立ち始めた。 キィと音を立てて、ギルドハウスの入口のドアが開き、こつこつと硬い足音が夜 の静かな部屋の内に響く。 ぱたんと出来るだけ音を立てないように丁寧に戸を閉める。 足音が近づいて来ても、アニスは眠ったまま目を覚まさない。 「…アニス、こんな所で寝ては風邪ひきますよ」 軽く肩を叩いてもちっとも目覚める気配は無い。体を少し揺さ振ってみても、や はり反応は無い。 カルダモンは周りを見渡して誰も居ないことを確認すると、そっと彼女に顔を寄 せて触れるだけのキスを落とした。 少し身をよじらせて、小さく声を漏らしたが、またすぐに寝息を立て始める。 眠っている彼女を起こすのも悪いので、寝室の方へ運ぼうと思い、 彼女を椅子にもたれさせて抱き上げようとして、ようやくアニスの格好に気が付 いた。 (なんでまた、こんな…) 抱き寄せ抱き上げ、出来るだけ見ないようにするが、やっぱりちらちら見てしま う。 構造が気になるなーとか、スースーしそうだなーとか、適当に言い訳を考える。 彼女をベッドに寝かせて、そのまますぐに立ち去っても良いが、せっかくの機会 だし、相手は眠っているし、 もう少し観察しておこう。ついでにお触りも出来たらしよう、とか何とか考えて 隣のベッドに腰掛けた。 見ているだけでも十分だが、触れることが出来る状況なのだから、お触りしない わけにはいかない。 据え膳食わぬは何とやら。寝込みを襲うようで…実際そうなのだが、多少罪悪感 はあるものの、 決して自分の一方通行なわけではないのだから、と自分自身に言い聞かせて、そ ろそろと近寄る。 「失礼します…」 起こさないように小声で言いながら、胸の膨らみに手をやる。 むに。 小さい。 アニスは胸が小さい事を気にしているようだが、正直なところカルダモンにとっ てはそんな事は気に留めるような問題ではない。 どちらかというと彼女のサイズは、自分の手に収まるサイズなので、むしろ丁度 いいくらいである。 服の上から胸に触れても、彼女は全く反応しない。 タイを解き、彼女が着ているシャツのボタンを一つ、二つ、三つ…もう一個、四 つ外し、前を広げる。 下着は着けておらず、白い肌を覗かせる。 胸の桃色の頂を軽く摘むと、小さく声を漏らした。更に指で転がすと、身をよじ らせる。 更に悪戯しようとしたが、寝返りを打って逃げられてしまった。 と、そこで殆ど隠していない臀部が視界に入ってきた。 一瞬何も穿いてないのか思ったが、前が隠れているのだから穿いてないわけはな い。 Tバックを初めて生で見たので、ついつい凝視してしまう。 ついでに尻も撫でておく。 こんなに布が少なくては寒かろう。毛布を被っていたのも頷ける。 だが、どうして彼女がわざわざこんな格好で寝ていたのかが解らない。 そんなことはともかく、とりあえず脱がす。 だが、予想以上に金具に手間取ってしまい、なかなかショーツが脱がせない。 これとは逆にガーターベルトは楽そうだが、そちらには手を付けない。 だって着けている方がそそるから。 「ん…うぅん…」 もたもたしていると再び彼女が寝返りを打ち、彼女を追おうと手を伸ばしたら、 その手を払い除けられた。 眠っている彼女には一切悪気は無いのだろうが、最近冷たくされているのもあり 、 その仕草が自分を拒絶しているように見えて、これ以上手を出すのを尻込みして しまった。 何も知らずに眠ったままのアニスに布団をかけてやり、その場を後にした。 誰かに声をかけられても、返事をする気力さえ起きない。 ふらふらとした足取りで六剣亭の階段を上がり、ベッドに倒れ込む。 天井を眺めていると、段々と視界が滲んできて、涙が目に溜まってきているのに 気がついた。 眼鏡を外し、頭から布団を被って一晩中しくしく泣いた。 「ぅん…あ、ん…?」 夜中に目を覚ましたアニスは布団を被っていても、肌寒さに身を縮込める。肩を 抱いて、よろよろと身を起こす。 ギルドハウス内には自分以外誰も居ない。今が何時か解らないが、とにかく寝る ような時間だろう。 そのまま二度寝しようかと思ったが、化粧をしたままだったのを思い出し、洗顔 をし、ちゃんとスキンケアしてから眠った。 格好はそのままだったが。 「昨日は何にも無かったのだ?」 「うーん…無かったわね」 昨日は椅子に座ったまま寝てしまい、それから目が覚めたらベッドで眠っていた 。 ベッドに移動した覚えは無いが、寒いから自分の知らない間に動いたのだろうと 、考えた。 ついでにタイとボタンが外れていたが、こちらも眠っているときに自分で外した んだと考えた。 「そういえば、カルダモンが昨日一晩中布団に包まって泣いてました。 五月蝿いのでユコンヴァサラで布団の上から殴っても静かにならないので、 布団を引き剥がしてみたらシールドクラフトを先に使っていましたよ… まあ、その後更に後頭部にスイングクラッシュしたらようやく静かになりました けど」 「それ確実に死んでるわよ…」 どうしてこんなやばい男をギルドに加入させてしまったのだろうか、 と三年前の自分の行動が取り返しのつかない重大な事だと今更ながらにアニスは 気がついたのだった。 だが、まともに回復スキルを使用できるのはギルド内でユーカリだけであり、彼 にギルドを抜けられるのは非常に困る。 「カルダモンちゃんの予想以上の手強さにヴァニラも驚いてるのだ。 次で落ちなかったら、相当なのだ…というわけで、上級編なのだ」 「料金の1000G頂きます」 アニスは黙ったまま財布から1000G取り出し、彼に渡した。 ここ二、三日だけで財布の中身もヘソクリも殆ど使い果たしてしまった。あとは 小銭が少しばかりしか残っていない。 これ以上引き延ばすわけにはいかない。今日で決着をつけなければ。 今回渡された紙袋の中身はエプロンが一枚。なんとなくやることが解った。 だが、これで1000Gとられるのは割に合わないような気がする。 文句を言いたいところだが、ユーカリに口で勝てる自信は無い。勝ち目の無い勝 負を挑む気も更々無い。 「裸エプロン…って、やつ?」 「そうそう、それなのだ。ご飯にする?お風呂にする?それとも…って、やるの だ」 自分がそんな事をしている姿を想像すると自然と顔が赤くなってくる。出来れば そんな事はしたくない。 「若いうちにしか出来ないのですから、思い切ってやってみればどうですか? まあ、やるやらないを決めるのはあなたですが。…ああ、止めるのならば、キャ ンセル料金がかかりますよ」 これ以上の出費は抑えたい。となると、彼女の選ぶ選択肢は限られてくる。 「やるわよ!やればいいんでしょ!」 ここまで来て尻尾を巻いて帰るのも癪だし、金は無いし、 半ばやけくそで言い切り、もうどうにでもなれ、と成り行きに身を任せた。後悔 はある。 そして、その晩。 「お帰りなさい…ご、ご飯にする?お風呂にする?…そ、それとも…わ、わ、わ …」 「そんなことはともかく、束子ありませんか?」 「…へ?タワシ?」 掃除に必要なんです、と彼は続けるが、いきなりそんな事を尋ねられても困って しまう。 だがそれよりも、頑張って言ったのをそんな事扱いされたことに腹が立つ。 ムッとしてそっぽを向いて知らない、と素っ気ない返事をした。 「そうですか…ところでアニス、そんな格好して何をしてるのですか?」 頭の先から爪先まで見て、彼は呆れたような顔をして尋ねる。 「別に…私がどんな格好しようが、あんたには関係無いでしょ!」 「関係ありますよ…ともかく、そんな格好していては、風邪ひきますよ」 そう言いながら彼は身につけているマントを外し、彼女に羽織らせた。 最初の方は小声だったので、アニスの耳には入らなかったのだが。 「どうしたんですか、最近変ですよ。一昨日はメイドで昨日はあれだし…で、今 日はこれですか…何かあったんですか?」 「何にも…」 彼の体にもたれかかり、シャツをぎゅっと掴む。 「…ご飯作ったの!今日は大丈夫だから!」 「…いえ、食事よりも先に風呂…いや、やっぱり束子をください。束子」 ともかくこの状況から抜け出そうと、束子を要求する。 もちろん、アニスが不機嫌になるのは目に見えている。 「ご飯食べてからでも、いいじゃない…」 怒鳴るかと思っていたが、そうでもなかった。 ホッと息を吐いて安堵した次の瞬間、何かが頬を掠った。 振り返ってみると壁には色の悪いリゾットが張り付いている。掃除する箇所が増 えた。 だが、まだ包丁やナイフが飛んでこないだけマシだろうか。 正面に向き直ると、アニスが手にフロワロリゾットを持って、いつでも投げれる ように構えている。 「あーっと…とりあえず、落ち着きましょう。アニス」 そう言ってる間にもリゾットは宙を舞う。 ついでにうどんも飛んでくる。一昨日の分がまだ残っているのだろうか。 ケミカルカラーの料理と言い張るものが家中に撒き散らされて、掃除しなければ ならない箇所がどんどん増えていく。 「ほら…食べなさいよ。勿体ないでしょ」 「貴女が料理を作る方がよっぽど勿体ないですよ」 「…っ、歯ァ食いしばれ!」 アンゼリカEXフロワロリゾット。 ぺちゃ、と音を立てて顔面に張り付き、そのままドンと大きな音を立てて床に沈 んだ。 ちょんちょんと足で蹴り起こして言うことは。 「掃除しておいてね」 アニスはそれだけ言い残すと、服を着て出て行った。 目が覚めて、とりあえず口の中に入ったリゾットを吐き出してから、掃除した。 束子大活躍。 「一体何が駄目なのだ?」 「知らない…」 アニスはテーブルに突っ伏し、泣きながら鼻声で返事をする。 彼女自身に悪いところは沢山ある。だが、それは彼にも同じ事が言える。 「この手は使いたくなかったのだ…最後の手段、米屋作戦なのだ!」 「…ヴァニラ、別にもういいわよ」 「弱気になっちゃ駄目なのだ!ついでにいうと、これはヴァニラはおまけみたい なものなのだ」 「ようやく私の出番ですか…そういうわけで、特別料金で20000G頂きます」 今まで以上の金額を提示するユーカリだが、既にアニスにはそれを支払うだけの 現金を持っていない。 「無いわよ。探しても出てこないわよ」 「無いのならば、体で支払ってもらうだけです」 ユーカリはそう言い放つと突っ伏しているアニスの首根っこを掴んで、 立ち上がらせると俵抱きにして運び、乱暴にベッドに放り投げた。 「ったぁ…一体何なのよ…」 「だから、体で支払ってもらうんですって。まあ、私が間男役です」 そう言いながら近付き、アニスの服に手をかける。 当然、彼女は抵抗するが、男女の力の差もあり、殆ど意味を成さない。 そのうえ更に、羽交い締めにされては抵抗のしようもなく、せいぜい蹴るくらい しか出来ない。 「ちょっと、ヴァニラどういうことよ!?ユーカリ、あんたもこんな小さい子使 って、恥ずかしくないの!?」 「小さい子って…ヴァニラさんはあなたと大して変わりませんよ」 「え…そ、そうなの…?」 「ノーコメントなのだ」 そうやって衝撃の事実に呆然としている間に服は殆ど剥ぎ取られてしまった。 肩を抱いて半泣きで睨みつけようが、暴言を吐こうがユーカリは全く気にする様 子も見せない。 「ヴァニラ…あんた、幾らもらってるの?」 「ヴァニラは1Gももらってないのだ。別にお金が欲しいからこういうことをして いるわけではないのだ」 「そうなの…って、何であんたも脱いでるのよ?」 気が付けば、同じように全裸のヴァニラが横にちょこんと座っている。 絵に描いたような幼児体型で、どう考えても同年代とは思えない。 「こっちの方がやりやすいのだ。…アニスちゃん、たーっぷり可愛がってあげる から心配しなくてもいいのだ」 小首をかしげてにかっと笑う彼女の天使のように愛くるしい笑顔をこんなに憎ら しく思ったのは初めてかもしれない。 ユーカリは上着を脱ぎ去り、手袋を外し近くのベッドに投げ捨てる。 「じゃあ、私は下をやるので、ヴァニラさんは上をお願いします」 「合点承知なのだ。…んーと、じゃあまずは…」 後ろから乳房を鷲掴みされ、思わず驚いて声を上げてしまう。 小振りな胸を慣れた手つきで揉み解していると、アニスはその愛撫に堪えるよう に硬く目を瞑り、 声を出さないように唇を噛むように真一文字に閉じる。 「我慢せずに好きなだけ声を上げればいいのだ」 「ひゃんっ」 かぷ、と耳を甘噛みされて、堪らず声を上げる。 その間にも、ヴァニラは胸への愛撫を止めることはなく、更に彼女の弱いところ を責め立て、絶えず快感を与え続ける。 ぷっくりと浮き出た乳頭を指で軽く触れると、彼女の体が震えるのと同時に控え めな乳房も揺れる。 乳頭を指の腹で少し擦るだけで、微かに声を漏らす。 小さな手の平で乳房を、指で段々と硬くなる乳頭を弄ぶ。 「すっかりお楽しみのようですが、私も混ぜさせてもらいますよ」 乱れる彼女の様子を一通り見ていたユーカリがようやく動き始める。 ヴァニラの愛撫ですっかり蕩けているアニスの秘部に指を這わせると、思い出し たようにアニスが抵抗し始める。 脚をじたばたさせて、ついでに近くにあるので顔も蹴りつけるが、あまり効果は 無い。 「あっ、さ、さわん、ないでっ…んぁっ…あ、やぁっ」 必死に抵抗しようとしても快感に負けて、体がちっとも言うことを聞かず、思う ように動けない。 力無く暴れて抵抗しても、すぐに捕まえられて動けなくなってしまった。 ヴァニラがすっかり硬くなった彼女の乳頭に齧り付くと、一際高い声を上げた。 ちぅちぅと吸い付き、舌で乳首を転がし刺激を与えると、甘い声を漏らす。 秘裂には指を挿入されて、抜き差しする度にぐちゅぐちゅと卑猥な音を立たせ、 愛液が滴り落ちシーツに染みを作る。 もう片方の手で陰核を摘み上げ、指で敏感なそこを扱いて、弾いて刺激を与える 。 秘裂の中へ挿入する指を増やして突き上げ、膣内の更に奥まで犯す。 「っふ、いやぁ…あ、あっ、んんっ…や、やぁっ」 胸と性器を愛撫されて甘い声を漏らし、泣きながらやめてと何度も言うが、二人 とも勿論手を止めるはずも無い。 そんな風にされてはむしろ、もっと苛めたくなってしまう。 より強い刺激が襲ってきて何も考えることが出来ない。 陰核を強く摘まれて、腰を跳ね上げ、秘部からは大量の愛液を飛び散らせた。 はあはあと肩で息をして、焦点の定まらない目でぼんやりと天井を見つめている 。 「おやおや…イッてしまいましたか?…へばらないでくださいよ、まだまだこれ からなんですから」 腕をぐいと引っ張って体を起き上がらせると、怒張した男根をアニスの口に捻じ 込んだ。 当然、彼女は逃げようとするが、後頭部を押さえつけて逃げられないようにして 、更に口内を犯す。 無理矢理に喉の奥まで犯され、まともに呼吸も出来ず息苦しいのに逃げたくとも 逃げられない。 口内を無茶苦茶に犯され、中で暴れ回り、好き放題にされて抵抗するの気力も失 ったのか、 次第にアニスは大人しくなり、されるままに身を任せている。 「…ほら、出しますから…ちゃんと飲むんですよ」 口の中に精液を吐き出され、喉の奥に直に流し込まれる。 男根がどくどくと脈打つ度に吐き出される精液をそのまま胃へ流し込もうとする が、 量が多く口内がいっぱいになり、耐え切れずに吐き出してしまい、 その際に顔にも髪にもかかり白濁の粘液で汚した。 特に口の周りから胸元にかけて涎と精液でどろどろにして、 涙を幾筋も流した目を赤く腫らして、荒く息をして呆然としている。 「っひぃ、いやぁっ…もう、やっ、やめて…」 最初の威勢はどこへ消えたのか、怯えた表情で男を見つめて涙を流しながら懇願 するが、 彼はなおも彼女の腕を掴んで、逃げることすら許さない。 「別に取って喰おうとしているわけじゃないんですから、そんなに怖がらないで 下さい」 彼はいけしゃあしゃあと言うが、アニスにとってはもう十分なくらい蹂躙し尽く されて、怖がるなと言う方が難しい。 アニスは目をぎゅっと瞑って、がたがた震えている。 「…ぅ、な…なんでも、するから…もう、やめて…」 顔をぐしゃぐしゃにして泣きながら許しを請う彼女の姿に、普段の気丈で凛とし た彼女の面影は無い。 「何でもしてくださるのなら、さっさと続きをいたしましょうか。 何も考えないで、快楽に身を任せればいいじゃないですか…ほら、今度はご自分 でやってください」 ついさっきまで自分の口の中に入っていた男根をずいと彼女の前に差し出す。 何をすればいいのかは解っている。 あとは彼女自身が理性を捨て去り、欲望に身を任せればいいだけである。 無言で彼女はゆるゆると性器に手を伸ばし、顔を近付ける。 先程の口淫で汚れた男根を舌で舐めて綺麗にする。 鈴口を舌先で突付いたり、ほじったりして刺激する。更に吸い付き、尿道に残っ た精液を啜り上げる。 「ん…ふっ、んぅっ…」 酔った様に目はとろんとして、夢中になって男根を咥え込んでむしゃぶりつく。 「アニスさん、ちょっと四つん這いになってください」 「んむぅ…ぁん、あ」 男根を含みながら口をもごもごさせて、緩慢に動いて四つん這いになる。 なったものの、ユーカリはベッドの上に座っていて男根が低い位置にあるので、 咥えるには顔を落とさねばならず、尻を突き上げる体勢になっている。 散々暇を持て余して、見ているだけだったヴァニラはすっかり濡れそぼった秘裂 ではなく、ひくついている肛門をぺろりと舐め上げた。 途端、アニスの体はびくんと震えて反応を示す。 「ふぁうっん、むぅ…ぅあ、お、おぉっ」 肛門を舌でなぞり、そこを舌でぴちゃぴちゃと濡れた音を立てて舐め上げる。 ひくつく肛門に指を挿し入れ、押し広げる。腸内に細い指を差し入れ、腸壁を引 っ掻いたり、擦ったりして刺激する。 新たな快感を享受し、だらしなく口の端から涎を垂らして喘ぎ声ばかりを上げて 、口の方が止まってしまった。 動かさなければと思いつつも、力が入らず膝ががくがくと震える。 「口の方がお留守ですよ。ちゃんとやることやらないと、いつまで経っても終わ りませんよ。 …まあ、その方があなたにとってはいいかもしれませんが」 腰を動かし口に咥えられたままの男根を喉の奥にぐいぐいと押し当てると、苦し そうに呻き声を上げた。 ようやく思い出したように男根を口に頬張り、口内で舌を動かし、舐め上げて奉 仕する。 腸内に舌を入れて、直腸内を丹念に舐め上げると堪らず甘い声を漏らすが、男根 を咥えたままでその声はくぐもっている。 唾液と腸液で肛門は濡れて、ひくひくと動いて穴を開いたり閉じたりを繰り返す 。 秘裂もじっとり濡れて、愛液を滴らせている。 「こっちは準備万端なのだ。どっちでも挿れれるのだ」 「んぐっ、あ、ふ…んんっ」 喉の奥にまで咥え込んで、亀頭が口蓋垂を擦る感覚が堪らなく気持ちいい。 太い男根をそこまで咥えるのは当然苦しいが、そんなこと快感に比べれば大した 問題ではない。 ユーカリも感じているようで、顔には見せないが少々息が荒くなっている。 「んぅ、あっ、うぇっ、んぐぅっ」 彼女の後頭部を押さえつけ、再び口内に射精する。 ごくごくと喉を鳴らして、吐き出された精液を胃の中へと流し込む。 射精を終えて男根を口から引き抜くと、アニスは物欲しそうな目で彼を見つめる 。 「そろそろ欲しくてたまらないんじゃないですか?…お尻をこっちに向けてくだ さい」 「ん、うん…」 言われた通りにそろそろと尻をユーカリの方へと向けて、四つん這いになる。 彼は指で濡れた箇所をなぞる。 「どっちに挿れて欲しいですか?」 男根を濡れた秘裂に擦り付けて、こっち?と聞きつつ、ひくつく肛門をなぞり、 それともこっち?と尋ねる。 「はぅっ、あ…おしりぃっ…おしりに…ぉ、おちんちん、ちょうだいっ」 予想外だった彼女の返事に内心驚きつつ、にぃと口の端を吊り上げ笑って返事を する。 彼女の形のよい尻を掴んで逃げられないようにして、狙いを定める。 「力抜いてください。…挿れますよ」 肛門を指で広げて、入り口に先を咥え込ませると後は一気に挿入すると、 アニスの口からは呻き声とも喘ぎ声ともつかぬ声が上がる。 初めての感覚に少しばかり戸惑ったが、すぐに痛みよりも快楽が勝り、抑えよう ともせずに嬌声を上げる。 「ふぁ、あっ、あぁ、ひゃあっ」 出たり入ったりと繰り返し、狭い腸内で男根をごりごりと擦り付けて押し広げる 度に甘い声を漏らしてよがり、腸内をきゅうきゅう締め付ける。 もともと狭いところを更に締め付け狭くするのだから、挿れている側としても気 持ちいい。 何度も打ち付けていると、膝が抜けて体勢が保てなくなってきたが、腰はがっち り掴まれ固定されているので挿入するのに支障は無い。 肘も曲げて上半身はベッドに倒れ込んでいるが、腰を突き上げて打ち付け揺さぶ られて、小振りな胸がふるふると振るえている。 「ひぃんっ、ひゃうっ、あっ、うぁ、あああ、あ、あぁっ」 頂点まで登りつめて、恍惚とした表情で激しく声を上げてよがる。 彼女が達したのを追うように、ユーカリも彼女の腸内に精液を吐き出す。 本日三度目の射精だが、射精量は先程と変わり無い。 男根を引き抜くと、逆流した精液が漏れ出て零れ落ちてくる。 ベッドにうつ伏せになって、荒い息で呼吸していたが、急に体ががくんと崩れて 、 支えが無いのでそのままベッドの上に沈み込んだ。 「あ…気ィ、失っちゃたのだ?」 「みたいですね。うーん…」 ユーカリは後始末をし、性器をズボンの中に戻して服装を整えながら唸る。 指を折って数えながら、何やら考え込んでいる。 「どうしたのだ?」 「正直なところ私、何回もやるのはしんどいんですよ。せいぜいやって二回です が、 それでもまだまだ、20000Gには足りないんです。…でも、金額分は支払ってもら わないと」 「…ユーカリちゃん、当初の目的忘れてるのだ」 「当初の目的って…何でしたっけ?」 そんなことを言っていると、後頭部を鈍器で殴られたような衝撃が、というか実 際に殴られた。 振り返ってみると、カルダモンが肩を杖でぽんぽんと軽く叩きながら立っていた 。 「何やってるんですか」 「何って…ええと、米屋ごっこ」 「そうですか。…そっちも、服を着て下さい」 「あたっ」 軽く杖で頭を殴られたヴァニラは痛そうに頭を抑えて、脱ぎ捨てていた服を拾っ てそれに着替え始める。 しかし、予想以上に反応が小さい。予定ではもっと大いに慌てて、流血沙汰にな って、怒号飛び交う修羅場になる予定だったのだが。 「で、貴方は何してたんですか」 「間男です」 「そうですよね。…マナバレット」 突然魔法を受けて、受け身を取ることも出来ずに体を壁に強く叩き付けられる。 頭を打ったようで、ぶつけた箇所を擦っている。 カルダモンは彼につかつかと近寄り、手に持ったボトルのキャップを開けて、頭 から琥珀色の液体をかける。 「うわ、何ですか!?ん、なんか…酒臭っ」 「ネバンプレスの酒場で買ってきた火酒です。あまり飲みませんが、こういう使 い方もありですね」 「はあ…」 最初は彼の言っている言葉の意味が理解出来なかったが、 ハッと何かを思い出したその瞬間、どっと汗が吹き出てくるのを感じた。 「ちょ…ちょっと待ってください。穏便に話し合いましょう!」 「いいから死んで下さい。…フレイム」 その日、夕暮れ時のカザンの町にとある男の断末魔が響き渡った。 ごうごうと燃え盛る炎を前にして、家の中では不味かったか、 と少しばかり自分の感情に身を任せた行動を後悔したが、その点以外は全く後悔 しなかった。 ばしゃん。 「んぎゃああぁっ!うひぃ、冷たっ…しかも、臭い!」 もう一個。ばしゃん。最後にもう一個。ばしゃん。 消火完了。少し焦げ臭いが、治療院に連れて行けばどうにかしてくれるだろう。 正直、してくれなくても全く構わないが。 ヴァニラがぐいぐいと真っ黒焦げになっているユーカリの口にヒュプノ結晶を押 し込むと、黒焦げのままだがどうにか意識を取り戻した。 「あー…死ぬかと思いましたよ」 「何で生きてるんですか?」 しぶといですね、とか言いながらかなり大きく舌打ちを鳴らす。 「ふぅ…余っていたろぉぱぁうどんが役に立ったのだ。 ちょっと腐ってたから臭うけど、そういうこと以外は大丈夫なのだ。多分」 傷んで少し色の変色したろぉぱぁうどんが床に散らばり、 床の上で触手がうにょうにょ踊っているのを放っておくわけにもいかないので、 掃除した。 でも、やっぱり臭い。 「じゃあ、後は任せたのだ」 「ごゆっくりどうぞ」 にたにた笑いながら家を出て行く二人。 前者はともかく、後者さっさと死ねばいいのに、と本気で思った。 「ん…ぅん…」 目を覚ます。気だるい感じがしないでもないが、いつも通りである。 ぼーっと天井を見つめながら色々と考え事をしていた。 さっきまで自分は何をしていたのだったろうか。 「気が付きましたか?」 聞き覚えのある声が聞こえる方へ顔を向けると、彼女が恋い焦がれる原因の男が 居る。 彼はベッドの横に持って来た椅子に座り、本を読む手を止めて、彼女を心配そう に見つめている。 先日似たような場面を見たような気がするが、その際は立場が反対だった。 彼の顔を見て、ふと思い出した。彼に言わなければならない事がある。 「あ、カルダモン…あ、あのね…わ、私ね…」 言おうとしてしきりに口を動かすのだが、なかなか言葉が出てこない。 それどころか、金色の瞳からはぽろぽろと大粒の涙が零れ落ちるばかりである。 「あれ?…あれ、あれぇ…?」 「アニス、すぐに話してくれなくとも構いませんから」 「ううん、それじゃだめなのよ…今すぐに、あなたに全部話したいんだけど… 何から話したらいいかわからなくなっちゃって…」 ぽろぽろ涙を流して、困ったような顔で笑うアニスを見て、彼は居た堪れない気 持ちになる。 彼女が苦しんでいるのに、自分は救いの手も差し出せない。 ぎゅっと彼女の小さな手を握りしめると、彼女はその手を弱々しく握り返してき た。 かあっと顔を赤くなり、ふと顔を上げると、アニスも恥ずかしそうにカルダモン を見ている。 ぱち、と目が合い、顔を真っ赤にして逃げようとする彼女の手を強く掴んで、体 ごと引き寄せて抱き締めた。 彼女は驚いて何も言わなかったが、腕を回してそっと抱き返した。 「…キスしていいですか?」 こくんと小さく頷いた彼女の顎を指でちょいと持ち上げると、彼女は瞳を閉じた 。 そっと唇を重ねる。 数日振りに触れたアニスの唇は相変わらず柔らかい。 ちゅ、ちゅと音を立てて、啄むように何度も何度も口付ける。 ゆっくりと離して、見詰め合う。 「ぅうっ…ふっ、く、うわぁぁぁぁん、ひっく、うえええええん」 急に声を上げて泣き出したアニスに面食らってカルダモンは目を白黒させる。 子供もだが、泣く女性というのはどう扱えばいいのかさっぱり分からない。 キスが下手くそだったのだろうか。それとも口が臭かったのだろうか。 もしかして、腐りかけのうどんを頭から被った彼自体が臭かったのだろうか。 「ひっく、カルダモン…ごめんなさい…わ、私…あなた以外の人と…」 「もうそれ以上は話して下さらなくても結構ですから…」 話す側の彼女が辛いのは当然だが、聞く側の彼だって辛い。 自分の好いている女性が自分以外の男に抱かれた話なんか聞きたくもない。 その男には自ら手を下したが、未だに思い出すだけで腸が煮え繰り返りそうだ。 「私、その人に抱かれて、最初は嫌だったけど…だんだん気持ちよくなってきち ゃって…」 最後の方はぼそぼそ喋っていて聞き取れなかったが、あまり聞きたいような内容 ではないだろう。 彼女はごめんなさいごめんなさい、と涙を流しながら何度も呪文のように呟いて いる。 「もうそんなこと絶対にさせません。私が貴女を守ります。 不埒な輩に指一本触れさせませんから…安心して下さい」 「でも、私…こんなのだけどいいの?許してくれるの?」 返事をする代わりに触れるだけのキスをする。アニスの目からはらはらと涙が止 め処無く零れ落ちる。 それを舐めとり、瞼に口付けを落とす。 「アニスは泣き虫ですね…そういうところも可愛いですけど」 「だって…もう、ばか…ばか、ばか……すき」 不意打ち気味に触れるだけのキスをしたら、なんだか恥ずかしくなってきて、赤 くなった顔を隠そうとして彼に抱き着いた。 そのままくんくんと彼の匂いを嗅ぐ。 「くさっ…」 思ったことをそのまま口に出した。 以前嗅いだ彼の匂いはこうではなかったはずだ。確かめるように何度嗅いでもや っぱり臭い。 「ねえカルダモン、あんた臭い。なんか生臭い。…なんで?」 「あー…うどん被ったんです。多分、それかと…」 「うどん?…まあ、とりあえず、お風呂入ったら?」 「アニスも、汗かいてべたついてると思いますし…お先にどうぞ」 互いに譲り合うばかりでどちらも入ろうとしない。勿論風呂には入りたいのだが 、 相手より先に入るのが少しばかり気が引ける。 お互い黙りこくり、長い沈黙を破って言うことには。 「もう、いっその事…一緒に入る?」 アニスはほんのり肌を上気させ、甘えるような声で魅惑的な提案をしてくれる。 「え…でも、その…あーっと、いや、だって私、男ですよ」 「そんなの見りゃわかるわよ。…それとも、私とはお風呂一緒に入りたくない? 」 上目遣いで猫の様に身を擦り寄せて甘えてくる。しかし、誘惑に負けてはいけな い。 一緒に入ってナニをするのなんて一言も言っていないが、しないとも言っていな い。 と、ここでカルダモンの頭の中で謎の声が響く。 システム「一緒にお風呂に入りますか?」 はい ニア いいえ 心のAボタンを押す。 システム「こんな機会を捨てるなんてとんでもない!」 はい ニア いいえ もう一回、心のAボタンを押す。 システム「こんな機会を捨てるなんてとんでもない!」 何度やっても同じ事しか言わない。 ともかく、回避不可能のイベントのようなので、渋々了承することに。 こんな風に仕方が無いから一緒に入る、みたいに言っているが、願ってもない事 である。 たまにはベッド以外でもナニ出来る機会があるなら是非ともやりたい。 この前は少し触れただけで終えてしまったので、もやもやしていたところだ。 だがしかし、風呂場では眼鏡をかけないので、乱れる彼女をはっきり見ることが 出来ないのが勿体ない。 「じゃあ、先に行ってて」 「は、はい…」 上擦った声で返事をして、逃げるように脱衣所へと向かった。 こんな風に期待してどきどきしているが、実際どうなるかは分からない。 (さっさと入ろう…) シャツを脱ぎ、ブーツを脱いで、ベルトを外してズボンを下ろすと、 今から既に期待してかムスコが少し起き上がっていた。 宥めすかし、落ち着かせてから下着を脱いで腰にタオルを巻いた。 眼鏡を外すと一気に視界がぼやける。 滑ってこけないように足元に気をつけながら、風呂場に入った。 椅子に腰掛けて、桶に湯をすくって体にかける。頭から湯をかけると黒髪はぺた りと張り付く。 それにしても、先程からどうも落ち着かず、そわそわしてしまう。 心臓の鼓動が早い。年甲斐も無く、どきどきしている。 女性と一緒に入浴するなんて、子供の頃以来だ。それも母親とであるし、異性の うちには入らない。 悶々と思い巡らしながら、石鹸をタオルに擦りつけて泡立てる。 「入るわよ」 「はっ、はいぃっ」 戸の向こうから聞こえた彼女の声に緊張して大声で返事をしてしまったが、しな いよりはましだろう。 幸い彼は浴室の出入口に背を向けているので、顔が真っ赤になっているのはすぐ にはばれないだろう。多分。 ぺたぺたと濡れたタイルを歩く音がするのを聞きながら、平常通りに振る舞う。 「もう体洗った?」 「いえ、まだ…」 「髪は?」 「それもまだです」 「じゃあ、髪洗ったげる。私、結構上手いのよ」 そう話すアニスの声が浴室によく響く。かけ湯をしているようでざばざば、ちゃ ぷちゃぷと水の音がする。 「お湯かけるわね」 頭から湯をかけて体と髪を湿らせる。肩にアニスの手がそっとを触れるのを感じ て、更に体が熱くなる。 アニスは彼の髪に手を伸ばして、くるくる弄って遊ぶ。 「髪洗ってる間に、体洗っててね」 ふっと彼女の香りが漂ってくる。 言われた通りにタオルを体に擦りつけて、体を洗う。 丁寧に髪を洗う彼女の手つきが心地よい。髪だけでなく耳の裏や首筋も丹念に洗 う。 髪を洗ってもらうときは力を抜いているので、頭が少しばかり揺さぶられる。 「かゆいところ、無い?」 「…あ、無いです」 湯をかけてシャンプーを流し、髪を軽く絞って水分を切る。それからリンスを髪 に馴染ませ、また洗い流す。 「はい、終わったわよ」 「有難う御座います…」 髪に触れてみると普段よりも指通りが滑らかな気がする。 洗髪の仕方一つでこうも変わるものなのだろうか。 「体洗い終わった?」 「え、あ…まだです」 髪を洗ってもらっていた間はそっちばかり気にして、すっかり忘れていた。 「じゃあ、そっちも洗ったげる」 そう言うと返事も聞かずにアニスはタオルをひょいと取り上げて、石鹸を塗り付 け再び泡立て始める。 体に巻いているバスタオルを取り去り、タオルをごしごし擦り付け、体に泡をつ ける。 彼の背中を洗い、身を寄せると微かに体が触れ合う。 腕を伸ばさせて、洗うと胸が背中に押し付けられるように当たる。 体を動かす度に小刻みに揺れ、乳頭を擦りつける。 「ぅ…アニス、その…胸が…」 当たってるんですけど、と続けたいがそれを言って止められるのは嫌なので、な かなか続きを言えない。 「ん…ぁふ、あ…きもちいい?」 体を擦り付けて、彼女自身も感じているのか、時折甘い声を漏らす。 体をぴったり寄せて、腕を回して前を洗う。 やりやすい、やりにくいで判断すれば当然洗いにくいだろうが大事な点はそこで はない。 控え目な乳房を擦り付けていると、敏感な乳頭はすっかり硬くなって、 そこを擦り付けるのが堪らなく気持ちいい。 秘部から愛液を垂らし、しっとり濡らしている。 アニスの漏らす甘い吐息をBGMに背中に来る刺激と回された腕の動きで、 元から起ちかけだった男根は言い訳出来ないくらい起き上がって、腰に巻いてい るタオルを持ち上げていた。 「う、ぁん…あ、ここもキレイにしないと…」 「あ、アニス、そこは…っ」 ぱっとタオルを剥ぎ取られて出てくるものは、一つしかない。彼女の指が触れる とびくっと体が震えた。 「あ…硬くなってる…っん、気持ちいいの?」 「は、はい…」 乳房を擦り付けられ、性器を持たれて、体温が高くなる。興奮して更に硬くなる 。 「ヌいてあげる」 彼女はそう言って身を離したかと思うと、彼の手前に回り込んだ。 ぼやけているが、生まれたままの姿の彼女が目の前に居るのが分かる。 屈み込んで、熱く脈打つ男根に手を触れ、指を亀頭に擦り付ける。 手で男根をしゅにしゅにと扱き上げると、鈴口からは先走り汁が漏れ出る。 カルダモンがはあはあと荒い息で呼吸する様子を見て、アニスは気を良くする。 「っあ、ん…ふぁ…あ、あぁ」 身を寄せて、自分の乳頭を亀頭で擦り、堪らなくなって、声を漏らしてしまう。 男性器を握る手とは反対の手で、自身の陰核を捏ねくり回す。 「ひぅっ、んん…ふ、ぁ…」 「っく…あぁ…」 扱く手を早く動かすと、彼は切な気に声を漏らす。目を閉じ、顔を赤くして、苦 しそうに息をする。 「っう、あぅ…も、もう…」 アニスの手の中に白濁色の精液を撒き散らす。どくどく脈打つ男根から精液を飛 び散らし、 手から零れ落ちた粘液は彼女の身に付着する。肩で息をして、ぼんやりと彼女を 見る。 「はぁ…いっぱい出したわね…ちょっと溜まってた?」 ほらほら、と自分の手の平に吐き出された白濁色の粘液を見せているのだが、 残念ながら眼鏡が無い為視界がぼやけているので、当の彼にはさっぱり見えない 。 別にそんなもの見たくも無いが。 「確かに、最近ご無沙汰だったので…それに、アニスの機嫌が悪そうでしたし… ん、何を?」 「手についたのを…舐め取ってるの…んむ」 舌で自分の手の平を舐め上げ、精液を舐め取り、ごくんと喉を鳴らして飲み込む 。 ああもう、くそう、どうして今眼鏡かけてないんだよ!と叫びたくなったが仕様 が無い。 してもらってばかりでは彼女に悪いので、自分も何かしなければと考え、一つ思 いついた。 「アニス、次は私がします。…まず、何処がどの箇所か確認したいのでこっちに 来て下さい」 ちょいちょいと手招きすると、彼女は言われた通りに更に身を寄せてきた。 彼女の体をひょいと抱き上げて跨がらせる。 先程達したばかりだが、早くも性器は再び硬くなり始めている。 ちゅ、と音を立てて各箇所に口付ける。 「ここが目…鼻、で、…口ですね。で、ここが…胸と、ここが乳首」 「ひゃうんっ」 片方を口に含み、もう片方をぎゅっと摘み上げると、アニスはびくんと体を震わ せ声を上げる。 「ふふ…アニスはここ苛められるのが大好きなんですよね」 「そ、そんなこと…んひぃっ、あ、そこぉ、だめぇっ」 口に含んでいる方を歯で甘噛みすると、先程以上に声を上げて乱れる。 舌で乳頭を転がし、手の平で乳房を揉みほぐし、指で乳頭をこりこり擦り上げる と、 アニスは絶えず甘い声を漏らすが、恥ずかしがっているのか声を出すのを我慢し ている。 「アニス、我慢しないで下さい。もっと貴女の声を聞かせて下さい」 「ふぁ…あ、だってぇ…んむぅ、ひゃうぅっ」 舌を絡ませ、両方の手の平で柔らかな乳房を揉み上げながら、 乳頭を潰すように摘むと大きく体を反り返らせてよがる。 「私はよく見えないんですから、声を聞いて楽しみたいんです。 貴女の可愛い声をもっと聞きたいんです。…ね?」 「ふぁうっ…あっ、あ、あぁ」 乳房を口に含んで吸い付き、舌を使って舐め回す。 「ひゃっ…はぁ、そこばっかりじゃ、やぁっ…ここも…ぅん、してぇ…」 震えながら手を掴んで、ゆるゆると濡れそぼっている秘部へと導く。 指の腹ですりすりなぞると声を漏らす。 「とろとろになってますよ…ここも、洗わないといけませんね」 そう言いながら秘部に手の平をすりすり擦り付ける。 表面にしか触れず、もっと快感を得たいのに、焦らされてばかりでは我慢出来な い。 そんな彼女の視線に気付いたのか彼は意地悪く笑う。 「ひゃうんっ…ん、あ、あぅ…」 一気に指を挿入されても、しっとり濡れて受け入れる準備が十分出来ているので 、痛みも無くすんなりと受け入れた。 激しく抜き差しすると、その度にぴゅっぴゅっと潮を吹く。 「んん…はぁ、や、ぅん…あ、ぁ、だめぇ、もぅ…んっ」 「我慢しないで、イっていいんですよ」 顔を赤くし目に涙を溜めて、我慢するアニスの耳元で囁いて、 陰核を指で潰すと、嬌声を上げ体を大きく震わせた。 「あ…いやぁ、だめ…見ちゃ、だめ…」 我慢し切れずに失禁してしまい、漏れ出た尿が足を伝って排水溝へと流れる。 いくら眼鏡が無いからちゃんと見えていなくても、跨がっている上で失禁されれ ば嫌でも分かる。 風呂場なので別に嫌でもないが。 恥ずかしくて手で顔を覆い隠し、ぐすぐす泣く。 そんな彼女の手を退けて涙を舐め取り、瞼に口付けを落とす。 肩を軽く叩いて宥めるが、くすんくすんと鼻を鳴らす。 「おしっこ我慢できないくらい、気持ち良かったんですか?…とりあえず、体洗 いますね」 石鹸をタオルに擦り付けて泡立て、優しく体を洗う。腕、足、背中と洗っていき 、そっと胸に触れると微かに声を漏らした。 先程のように乱暴にはせずに、優しく揉み解しながら洗い上げる。 更に手を下ろして、股は手の平に泡をつけて、擦り付けて洗う。 それだけでも敏感になっている彼女の体には十分なくらいで、秘裂から愛液が漏 れ出る。 湯をかけて、石鹸の泡を洗い流し、後ろからアニスの小さな体をぎゅっと抱き締 めた。 「お湯に浸かります?」 「その前に…しよ」 さっきから背中にずっと熱いものが押し当てられているのが、気になって仕方が 無くどきどきしっぱなしだった。 早くそれが欲しい。 アニスを再び跨がらせて、向き合ってキスをする。 舌で歯をなぞり、互いに舌を絡ませる。 口の端から唾液が零れるのも構わず、夢中になって貪るようにキスをする。 「アニス…挿れてくれませんか?」 「へ?…そ、そんなの…それくらいわかるでしょ?」 「よく見えないので分かりません。 …間違って変な所に挿れられたら、アニスも困りますよね?」 「う…ああもう、わかったわよ。してあげるわよ…でも、今回だけだからね?」 「はい。お願いします」 確かに視界はぼやけてはいるが、分からないことはない。 ただ単に彼女からやって欲しいだけである。 腰を浮かして指で秘裂を広げ、もう片方の手で熱く硬い男性器を掴む。 「あっ、うぅん…はぅ…ふ…」 だが、彼女は秘裂に男根の先を擦り付けるばかりで、なかなか中へ挿れない。 「…あの、アニス?」 早く挿れて欲しいのに、何時まで経っても挿れてくれない。 もしかして焦らしているのだろうか、と考えたが何やら違うような気もする。 「だってぇ…滑って、はいらないんだもん…ぁん」 「別に、無理にしてくれとは言いませんよ?」 「んーん、ちゃんとするからぁ…待ってて…ん」 そう言いながらも、何度も擦り付けている。このままでは挿入する前に達してし まいそうだ。 「ふぁうっ…あ、はいったぁ…ぅ、きゃんっ」 ようやく先を挿れることが出来たと、安堵しているところに勢いよく腰を打ち付 けられ、 一気に奥まで突かれて、それだけで達してしまいびくびく体を震わせる。 「あ…うぅ、き、急に、しないで…はぁんっ、あ、やんっ」 「すいません。我慢出来なくて、つい」 「も、ばかぁ…ひゃうっ、ひっ、あ…はぅん」 アニスの体を抱きしめ、何度も何度も腰を動かすと、動きに合わせて嬌声を上げ る。 抑えようともせず、喉を嗄らすほど声を上げ、膣を締め上げる。 彼の体に腕を回し、抱き締めて擦り寄る。 目の前で小さく揺れる乳房に噛り付くと、声を上げる。 「うぅん…あ、ひゃ…ふぁ、ひんっ、はっ」 乳頭を舌で弄くりながら、腰を激しく動かし打ち付けると、体を大きく反らして よがり、狭い膣を更に締め付ける。 「ふぁうっ、あっ、あっ、あぁぁっ」 男根を引き抜いて、そのまま精液をびちゃびちゃと吐き出し、彼女のほんのり赤 く染まった肌を汚した。 アニスははあはあと荒い息で呼吸しながらカルダモンの体にもたれ掛かった。 かけ湯で汚れたところを洗い流して、湯船に浸かる。 アニスが髪を丁寧に洗っているのを、湯船に浸かりながらぼーっと眺めていた。 「はぁ…なんか、今日は疲れたわ…」 カルダモンの体にもたれ掛かりながら湯船に浸かり、ぐーっと手前に腕を伸ばし て伸びをする。 長い髪を結い上げ、湯船に浸からないようにしている。 「あの、最近様子が変だった理由をそろそろ聞きたいんですけど…」 「んー…まあその、ね…簡単に言えば…ヤキモチ焼いてただけよ」 アニスは小声で恥ずかしそうに言うが、いまいち彼は合点が行かないようではあ 、とか、如何して、とか言っている。 「だ、だって…色んな人に優しいから…マレアイアで女の子にプレゼントあげた り、ニギリオの宿でアリエッタを庇ったり…」 「…しない方がよかったんですか?」 「そういうわけじゃないけど…私には、そんなこと全然してくれないのに…。 こんなにヤキモチ焼いて…なんか、私ばっかりあなたのこと好きみたいじゃない …」 言ってから更に恥ずかしくなって、ばしゃばしゃ音を立てて顔を洗う。 が、ぎゅうっと抱き締められてぴたりと手を止める。 「ご心配をかけてしまったみたいですいません…でも、悪い気はしませんね」 「なんでよ」 「アニスがそんなに私の事を好いてくれているのが、はっきり判りましたからね 。 …ですが、貴女も見落としている事があるみたいですね」 「…な、なに?」 どきどきしている彼女の耳元でそっと囁く。 「私が大層嫉妬深い男だということです」 カルダモンはそれだけ言うと立ち上がり、濡れた体を拭いて風呂場から出て行っ た。 それだけ言われても困ると、アニスも彼の後を追って風呂を上がった。 脱衣所で雑談しながら楽な格好に着替え、リビングに入る。 「あー、喉痛い…明日歌えなかったら、あんたの所為よ」 「はいはい…何か飲みますか?」 「お茶入れて。美味しいやつよ」 「あたしもちょうだーい」 「わかりました。じゃあ、三人分と…」 声が一人分多い、振り返って見てみると、先程の声の主であるパプリカが椅子に 座っていた。 桃色の髪と同じ色のルシェ族女性特有の獣耳がぴこぴこ揺れている。 「アニスとカルダモン、一緒にお風呂は入ってたの?二人とも仲良いよねー」 「え、ええ…ほら、カルダモンって目が悪いじゃない。…だから、危なくないよ うに手伝ってあげたのよ」 「そっかー、アニスって優しいんだね」 アニスの苦しい言い訳を聞いて、朗らかに微笑みながら、パプリカは言う。 恐らくこの様子では二人が風呂場で何をしていたのかまでは解っていないのだろ う。 だが、この事を他の人にまで言いふらされては困る。 「あー…パプリカ、お腹空いていませんか?」 「空いてる!あたし、晩ご飯まだなんだー」 「じゃあ、晩ご飯奢ってあげますから、この事は誰にも言わないで下さいね」 「うん!えーっと、じゃあ…エビフライ定食!」 翌日「昨晩はお楽しみでしたね」と言われたのはまた別のお話。 ×月▽日 一時はどうなることかと思ったけど、作戦成功してよかったのだ。 成功報酬が支払われていないとユーカリちゃんが嘆いていたけど、自業自得なの だ。 そんなことはともかく、お風呂でするとき用にアニスちゃんに色々教えておいて 、正解だったのだ。 だけど何よりも、アニスちゃんが切れ痔にならないかが心配なのだ。 ~ヴァニラの日記より おしまい
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ちびキャラトーク(パターンA) ちびキャラトークのファイター1:ブーン/ローグ2:ユスタス/サムライ1:シシマル/ナイト1:アレスのトーク詳細。 1日目 「やあ! オレの名前は○○ つい先週 カザンにやってきたばかりなんだ よろしくな! 」(♪) 2日目 「カザンて でっかい町なんだな オレの故郷とは大違いだ! まだここに来て日が浅くてさ どこになにがあるかわからないんだ よかったら案内してくれないかな? 」 →YES 「ありがとう! じゃあまたヒマな時にでも 案内してくれよ。 」(♪) →NO 「いや、別に無理にとは言わないけど 残念だな… 」 3日目 「へー! カザンは宿屋もでっかいなあ。 オレの故郷にはさ 宿屋なんかなかったなあ。 今どんだけ田舎モンだ! とか思っただろ? 」 →YES 「はーはっは! でもそんなに訛りはないはずだぜ! 」(♪) →NO 「別に嘘をつかなくていいぜ。 思ったことを正直言ってくれよ。 」 4日目 「オレの故郷はさ ずーっと向こうの山の中にあって… 平和なところだったよ。 本当になんにもなくてなぁ… このまま平和が続くと思ってた。 でもある日、一匹の竜がやってきてな… あの日のことは、忘れられないぜ… 」(♪) 5日目 「その竜はなんとか追い払ったんだが 数日後 村外れでフロワロが発芽しちまってな 竜の体に種でもついてたんだろうな あとは最近よく聞く話の通りさ。 フロワロは瞬く間に広がり… その後、 もっと多く竜の大群が押し寄せてきた。 」(♪) 6日目 「竜の大群が押し寄せてきた時、 戦える奴は 村の人たちを逃がすのに必死で戦った。 なんとか被害は 最小限に食い止めたんだが、 フロワロの増殖は止められなくてな。 村はすぐにフロワロに沈んじまったよ。 」(♪) 7日目 「フロワロに沈んだ村はもう助からない。 生き残った村の皆は そのまま散り散りになっちまった。 自分の無力さを思い知った瞬間だったな。 」(♪) 8日目 「故郷に失ったオレたちは それぞれ散り散りバラバラに なっちまった。 オレは生き残ったダチと二人で ハントマンにでもなろうと ここカザンまでやってきたってわけさ。 」(♪) 9日目 「ダチとは良いコンビだと思うよ。 最近ようやく 二人で依頼をこなせるようになってきてさ、 ハントマン稼業が 楽しくなってきたところさ。 オレたち、結構才能あるのかもな。 」(♪) 10日目 「ここだけの話だけどさ、 あいつがオレのダチだってことに 誇りを感じてるんだ。 あいつの前じゃ 恥ずかしくて言えないけどな。 」(♪) 11日目 「すまない! オレのダチが大変なんだ! 今日は話をしてるヒマがない また今度な! 」(♪) 12日目 「…。 …オレの話を 聞いてくれないかな? 」 →YES 「実はずっと一緒に戦ってきた オレのダチが 冒険の最中に大怪我をして… このままじゃ… 」(♪) →NO 「そうか… まあ気が向いた時でいいさ… 」 13日目 「ヒーラーの先生が言ったんだ。 ダチの怪我を治すには、 東の山にある薬草を もってこなくちゃならないって。 けど オレ一人で あそこまで行ける自信がないんだ。 情けないよな… 」(♪) 14日目 「オレにもっと力があったらな… ただ、今のオレが薬草を取りにいったところで 怪我人が一人増えるだけだ。 ヒーラーの先生にそう言われちまったよ。 え? 薬草を取りに行くのを 手伝ってくれるって? 」 →YES 「本当かい! 助かったぜ! 」(♪) →NO 「そうか… まあ迷惑はかけられないしな。 」 15日目 「この間は 世話になったな。 おかげで薬草も手に入ったし 早速届けに行こうと思うんだ。 本当にあんたのおかげだ! あんたと知り合えて本当に良かった。 」(♪) 16日目 「あんたのおかげでダチは助かったよ。 しばらく養生すれば また戦いにも出られるってさ。 本当にありがとうな。 あんたと知り合えたことを 誇りに思うよ。 」(♪) 17日目 「やあ! また来てくれたのか。 ダチはもうハントマン稼業に復帰したよ。 これから一緒に冒険に行くんだ。 」(♪) 18日目 「お! あんたか この間の冒険は大成功だった。 依頼も一つ片付いたし まさに順風満帆! あんたには本当に感謝してるんだ。 いつか恩返しがしたいと思ってる。 嘘じゃないぜ。 」(♪) 19日目 「しかし倒しても倒しても 竜の奴ら、数が減らないな… 奴らを呼び寄せている元凶が 他にある気がするんだ… 」(♪) 20日目 「聞いたか? 遂にカザン所属のハントマンギルドが 一斉に立ち上がることになったんだ。 東の山の竜の巣に襲撃をかける! 竜たちを一網打尽にするんだ! 」(♪) 21日目 「今度の戦い、 オレも参加することにした。 危険なのはもちろん理解してるさ。 でもオレみたいに故郷を失う人を もうこれ以上見たくないんだ。 だからこの身なんて惜しくない… あんただって、わかるだろ? 」 →YES 「オレはこの身を捧げるぜ! ハントマンとして 竜を狩り尽くしてやるんだ! たとえ死んだって後悔なんてしないさ! 」 →NO 「オレのことを心配してくれてるのか。 …すまない。 こんなオレを心配してくれる人が まだまだいたんだな…。 」(ハート) 22日目 「この間はすまない。 一人で勝手に興奮しちまったみたいだ。 そうだよな。 簡単に死んでいい奴なんていない。 そうだよな… 」(ハート) 23日目 「なあ、あんた… いや…なんでもないんだ。 」(ハート) 24日目 「今度の戦いは半端なくヤバイ。 もう帰ってこれないかもしれない。 だからさ、オレなりに 色々考えたんだ… …もし良かったら明日… またここに来てくれないか? 」 →YES 「…照れくさいな。 明日、必ず来てくれよな。 来てくれるまで待ってるぜ! 」(ハート) →NO 「ま、まあ、そう、だよな… オレなんかに使ってる時間なんて、 ないよな…」 25日目(最終日) 「本当に来てくれたんだな。 っていうか、 本当にオレなんかでよかったのかな… 今更こんなこと言うのはヤボだな… さあ、目をつぶってくれ。 オレの大事なモノ… 受け取ってほしいんだ (パスワード表示) メモ、してくれたか? 」 →YES(ハートいっぱい) 「ありがとうな… オレ、あんたのこと忘れないよ。 まだあんたと いっぱい話さなきゃならないことが あるような気がするんだ。 だから… …。 とりあえず、いってくる! あんたも、元気でな! 」 →NO パスワード表示画面に戻る
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2020-5-31(日) 今日も呉のCM社で径級計測装置の工事。 朝6時半過ぎに家を出て車で呉へ。7時40分頃にCM社に着。守衛さんの所で記帳。 第7工場1台目の径級計測のLアングルを取り付け。 第7工場2台目の径級計測。相手シーケンサのプログラム待ち。細々とした修正をあれこれ。 お昼は長崎ちゃんめん。今日はとんこつラーメンとミニチャーハン。 午後も相手シーケンサのプログラム待ちと細々とした修正。 材を流して動作チェック。 午後5時20分頃に終了。帰宅。 2020-5-30(土) 今日と明日は呉のCM社で径級計測装置の工事。 朝6時半に家を出て車で呉へ。7時半頃にCM社に着。守衛さんの所で記帳。 Bさんと手伝いで来ているBさんの次男さんと合流。 第7工場1台目の径級計測の1軸テーブルを交換する準備。ドライバと電源を入れ替え。プログラムも入れ替え。 1軸テーブルのLアングルが干渉する。削る必要がある。 第7工場2台目の径級計測の立ち上げ。オペレータさん用にタッチパネルディスプレイを設置。 ラックの中にパソコン一式と制御ボックスを設定。モニタがギリギリ入った。 お昼は長崎ちゃんめん。 第7工場2台目の1軸テーブルとカメラの設置。私は腰が悪いのでBさん親子に任せる。 午後2時40分頃に終了。 社に戻ってLアングルの加工。 2020-5-29(金) CM社第7工場2台目の径級計測プログラム。鋸で切る位置をグラフィック表示して三日月部分の寸法を算出する。 2020-5-28(木) 計測器メーカのK社さん来社。コードリーダのデモを見せていただく。AGVの下方カメラの候補にする。 AGVのデモ用のマニュアルを作成。 BGAを張り替えたAGVの新ボード。ようやく火入れ。 2020-5-27(水) AGVのプログラム。デモ動画のために決まった経路しか走行できなかったが経路と動作を設定できるようにした。 AGVの走行面の床に貼るデータマトリックスのシールを1セット(24枚)製作。 2020-5-26(火) S社向けユニット6台の出荷検査。 AGVのリフタが動かなくなってハマる。修理したホールセンサのケーブルが接触不良の模様。 2020-5-25(月) CM社第7工場2台目の径級計測プログラム。パラメータのディフォルト値が送られて来たのでプログラムに反映。 LGのプロジェクタが届いたので位相シフト法のテスト。明るさはやや暗い。応答速度が遅くて全くダメ。プログラムを作り直す必要がある。 一度BGAのFPGAを剥がしてジャンパ線を飛ばしたAGV用の新基板が戻ってきた。 2020-5-24(日) 宇品のコーナンで仕事で使うゴムシートとネジを購入。 出社して仕事。 AGVのリフタの天板にゴムシートを張り付け。滑り止めのためと見栄えを良くするため。 仮固定だった前後のカメラをネジで固定。 リフタの上昇/下降を高速化。 デモ動画を撮り直し。 AGVに使用する3.5インチのタッチパネルディスプレイ。とりあえずボタンを配置して画面表示ができるまで。プログラムのやり方をすっかり忘れている。 近所のイオンで買い物。 2020-5-23(土) 宇品東のコジマで買い物。キーボードやらマウスやら。 2020-5-22(金) AGVの消費電流を調査。4m走行時の左右モータ電流。 愛知方面、京都方面とSkypeで会議。AGVの進捗について。 走行にリフタ上下を連動させて、荷物を積んで運んで下すデモ動画を撮影。 2020-5-21(木) まだ腰が痛いがなんとか出社。 CM社第7工場2台目の径級計測プログラム。シーケンサとの通信部分を作成。 材長を算出する部分を作成。 午後に社を抜けて袋町へ。 北海道方面に行っているS社さんのサポート。ユニットのメインルーチンが計測中に0.4秒止まるという症状。原因不明。 デバグ文を仕込んだプログラムを送って調査。あれこれやり取りしてDIOのノイズで計測中にプローブ回転命令が発生している事が判明。プローブ回転命令はドライバにシリアル通信であれこれ命令を出すのでメインルーチンが止まるのだ。すでにプローブが回っている場合はプローブ回転命令を無視するように変更。 2020-5-20(水) 今日も腰痛で会社を休む。 5/5に注文したノートパソコンが届いた。 終日蟄居。 2020-5-19(火) 今日も腰痛で会社を休む。 家で仕事。CM社第7工場2台目の径級計測プログラム。1時間の製材量、本数、平均径を算出する部分を作成。 終日蟄居。 2020-5-18(月) 腰痛が酷いので会社を休む。 終日蟄居。 2020-5-17(日) 家で仕事。CM社第7工場2台目の径級計測プログラム。新しい設定メニューを追加。 腰痛が酷い。 終日蟄居。 2020-5-16(土) 家で仕事。山陰方面ST社の印刷装置に使用する新しい制御ボードのFPGAプログラム。ピンを再定義してSDRAM制御部分を追加。 近所のイオンで買い物。 2020-5-15(金) CM社第7工場2台目の径級計測プログラムをあれこれ。前回と仕様が変わったところなど。 午後3時から出かけて呉のCM社へ。 第7工場2台目の径級計測について打ち合わせ。 現場をもう一度調査。 午後5時半に終了。帰社。 AGVのバッテリに使用するコネクタが届いた。連続90Aまで流せる。 AGVに使用する小型のタッチパネルディスプレイも届いた。 2020-5-14(木) 山陰方面ST社の印刷装置に使用する新しい制御ボードが実装から戻ってきた。データを受信するためのSDRAMが増設されたのでFPGAのプログラムを直さなければならない。 3Dカメラを1軸テーブルに仮止めして径級計測のテスト。 2020-5-13(水) AGVのバッテリに使用するコネクタを選定して発注。 S社向けユニットのプログラム。非常停止が連続してON/OFFするとZ軸のブレーキとサーボONが誤動作するのでディレイを入れる。待機位置に居るかどうかの判定を厳しくする。 CM社第7工場2台目の径級計測用パソコンとモニタをセットアップ。タッチパネルの設定でハマる。マルチディスプレイで片方だけがタッチパネルなのだけれど、どうやってもタッチパネルの設定ができない。メーカのサイトから最新のドライバと設定ツールをダウンロードして設定したら解決。付属のものはWindows10に対応していなかった模様。 CM社第7工場2台目の径級計測に使う1軸テーブルのドライバと電源をDINレールに取り付けて配線。 広大から手紙。親父の遺骨を6/1に引き取りに行くことになった。届けてもらう事もできるのだけれど引き取りに行く方を選んだ。6/1は親父の誕生日。 2020-5-12(火) AGV用の新しい基板のFPGAを設計。DIOが増えたのとモータ駆動の電流制限値を設定するためのデジタルポテンショメータが追加されたのとメロディ音量を設定するためのPWM出力が追加されたため。 2020-5-11(月) 社内でAIについて打ち合わせ。 新しいAGV用基板。DC-DCコンバータの19V出力が15.6VになっているのでK君に調査をお願い。 CM社鹿島工場の木口検査で使用するプロジェクタを選定して見積もり依頼。 CM社鹿島工場の木口検査で使用するカメラを発注。 AGV基板のDC-DCコンバータ出力が15.6Vになる件。K君がチップメーカのサイトからシミュレータをダウンロードして正しい定数を見つけてくれた。エクセルのマクロで動くシミュレータ。これは便利。 2020-5-10(日) 宇品東のイオンで買い物。 2020-5-9(土) インターネットバンキングで自動車税の支払い。¥45,000-。 出社して仕事。AGVの超音波センサのトリガ方式を変更。一定間隔でトリガするのではなく前回の反射が終わったらトリガするようにしたが、あまり改善されず。やはり高速走行時に超音波センサは使えない感じ。 社内で会議。 2020-5-8(金) 超音波センサモジュールをケースに入れる。数値が暴れるのは収まった。 超音波センサの応答が遅い件。センサモジュールに移動平均処理が入っていた。80msecサイクルで取っていると1秒近く遅れる。 2020-5-7(木) AGVの超音波センサ用のケーブルを製作。 超音波センサモジュールをシールドしなくてもそこそこの値が出るようになったが、応答速度が遅い。あれこれ調整。 S社向け検査装置のブロック図を作成。 2020-5-6(水) 憲法記念日振替休日 皆実町のゆめタウンへ。花屋さんで買い物。 出社して仕事。AGVセンサボード2枚の修理。 AGVの超音波センサがモータが回り出すと変な値を出すのでシールドするためにメイン基板から取り外してサブ基板に取り付ける。 近所のイオンで買い物。 2020-5-5(火) こどもの日 家で使うノートパソコンを注文。DELLの Inspiron 13 5000シリーズでオプションを付けて20万円ほど。 宇品東のイオンで買い物。 仁保南へ。 2020-5-4(月) みどりの日 出社して仕事。CM社第7工場の2台目となる径級計測装置のプログラムを作成。第3工場に入れたタイプのカメラを1台にして1軸テーブルを追加したもの。 引き続きAGVのプログラム。ティーチングのバグ潰し。 床と壁に貼ってあるアルミ材の部分で反射があるらしく3Dカメラが変な距離を検出してしまう。TOFタイプではないので仕方がない。 走行速度が上がったので障害物での停止を見直し。現在の速度によって減速開始位置を変更する。 2020-5-3(日) 憲法記念日 出社して仕事。引き続きAGVのプログラム。 速度が850mm/secを超えると姿勢制御が効かなくなる原因を調査。走行モータ出力のPWMがリミットで制限されていた。リミットを限界まで大きくすると速度を1100mm/secまで上げる事ができた。これが限界。 隣の部屋の床にコードのシールを貼って走行テスト。目的地まで最短経路で走行できる事を確認。 2020-5-2(土) 鉄炮町へ。 出社して仕事。引き続きAGVのプログラム。加減速を見直し。シミュレータでパラメータを調整。 速度が850mm/secを超えると姿勢制御が効かなくなる。カメラの限界か。 2020-5-1(金) GW 出社して仕事。AGVのプログラム。ティーチングで求めたマーカの座標に対して等高線を書き最短コースを求める。 午後、社を抜けて袋町へ。 夕方、愛知方面とSkypeで会議。AGVのスケジュールについて。 -
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殆どがドラゴン型モンスターで構成されている種族。 最終形態はHPが他の種族に比べて高く設定される事が殆ど。 コマンドはブレスによる全体攻撃や、ランダム攻撃が多い傾向にある。 カードNo. 属性 クラス モンスター名 入手条件 出身 OBS00-026 火 ★ プチドラゴン 対 オレカバトル1の旧序章 OBS00-027 火 ★★ レッドゴン C OBS00-028 火 ★★★ レッドラゴ C OBS00-029 火 ★★★★ レッドドラゴン C OBS00-040 火 ★★ ドラン 合 オレカバトル1の新序章 OBS00-041? 火 ★★★ 竜人ドラン ア 表注 記号 カード化条件 対 通常対戦で入手 B BOSS戦やその御供で入手 合 モンスター同士の合体 C Lv10無条件クラスチェンジ ア モンスター+アイテム利用のクラスチェンジ 館 合体の館モードで出現
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B01-020 カオスデビルドラゴン イラストレーター : NINNIN コスト 0 防御 500 攻撃力[追加ダメージ] 1200 2300 3500 4700 5800 [+1] 6900 [+1] レアリティ SR 属性闇 タイプドラゴン カード種類モンスターカード進化段階3進化 進化元デビルドラゴン 究極進化素材- 効果タイプ ダメージ カード効果(このカードがダメージを受けて手札にきたとき、コストを支払って進化できる) ドロップ 闇 回復 収録・配布ブースターパック第1弾『旅立ちの刻』収録